08/05/04 下北半島ツーリング2日目

2018年3月20日サイクリング

脇野沢-海峡ライン-牛滝・・・(観光船)・・・仏ヶ浦・・・(観光船)・・・牛滝-仏ヶ浦展望台-福浦-佐井-大間崎-大間 晴 83km 地図
昨日は21時過ぎには寝たので、5時には目が覚めた。外はもう明るく、天気はどうかなと外を見ると曇空。カモメがクァークァーと鳴いていた。
下北半島ツーリング2日目の今日は海峡ラインと仏ヶ浦のメインイベント。できれば今日だけは良い天気でと願っていた。
なぜならば今日のルートは距離は80kmとそこそこだが、山の登り返しが続きトータルの標高差が結構ある。おおまかに調べてみても「0m→500m→0m→200m→100m→200m→0m→200m→0m→80m→0m→最後は細かなアップダウン」と非常に厳しいと思われる。
そのため朝は早めに出ようと考えて、朝食はお弁当にしてもらった。
最新の天気予報では下北は曇時々晴だが、津軽は晴時々曇。下北半島の西岸はその中間地点なのでまあまあの天気になるだろうと期待した。
6時半に出発、R338海峡ラインで北へ向う。しばらくは脇野沢川に沿ったほぼフラットな道で、町外れのガソリンスタンドには「次のガソリンスタンドは60km先」と看板が出ていた。

3kmほど走って、脇野沢温泉「脇野沢村保養センター」の先、「道の駅わきのさわ・リフレッシュセンター鱈の里」に到着。ここで朝食のお弁当を食べることとした。隣は七引野猿公苑である。道の駅はまだ開店時間前で入ることはできず、風が冷たいので自動販売機で暖かいお茶を買って玄関前のベンチでお弁当の半分を食べた。
朝のエネルギー補給を終えたのでいよいよ山へ向う。朝早いこともあり車はとても少ない。脇野沢北端の集落の前後の道端には薪がいっぱい積まれていた。

街を離れると上り坂に差しかかる。ここからは山岳ハイウェイで10km走って500mまで上る。平均すると5%の勾配だが10%勾配と緩い坂が交互に繰り返している。上るにつれて左手の谷はどんどんと深くなり、西側の山の間からは津軽海峡が見えてきた。

薄日が差してきているが山の上には雲がかかっている。陽が昇ってくれば多分晴れるだろうと思いながら淡々と上っていくと、前後左右どこを見ても新緑の木々に囲まれている。

標高400mで海峡ラインの開通記念碑がある。昭和53年10月開通とあるが結構最近まではダートの区間が多かったようで、当時は自転車だと大変だったと思う。今では全区間舗装されたので私たちでも走ることができるようになって感謝している。
記念碑の少し先で尾根を越えると道は内陸側の男川の斜面に移る。8時を過ぎて空はだんだんと晴れてきた。

ここからは尾根筋のほぼ平坦な道に変わって速度も上がる。眺望も広がり山岳ハイウェイの気持ちよく走れる道だ。ピークに近づいた標高500m目前で「流汗台ゆとりの駐車帯」に到着。展望台とトイレと東屋があり、ここで休憩としておにぎりの残り半分を食べた。
ここからも緩やかな坂で少し上り、アンド山を回り込む所で海峡ラインのピーク地点、標高520m地点であるが特に何もない。時刻は9時前で脇野沢から2時間ちょっと、予定よりちょっと早く上って来ることができた。

この後少し上り返しはあり、それからは一気に下っていく。内陸側へ向っているので海はまったく見えないが野大高原が雄大に拡がり、それと木々の隙間から一瞬だけ「かわうち湖」が見えた。

標高250mまで下ると平野となり牧場地帯へ。まだ時期が早いのか牛の姿は見えないが、牧草は深い緑に色づいている。
むつ市(旧脇野沢村)から佐井村へ入るとすぐ、県道253号線との交差点に到着。右に行けばかわうち湖や道の駅があるが、5km近くあるので左折して海峡ラインをそのまま進む。

川内からの道と合流したので車が若干増えてきた。とても緩やかな分水嶺を越えると、ここからは一気に海まで下る牛滝川の谷に入る。急勾配と急カーブ、牛滝○号橋と付けられたいくつもの橋が続く。やがて谷間の奥に牛滝の街が見えてきた。

牛滝地区への分岐で国道から離れて牛滝へ下る。静かな漁港だ。港の近くへ行くとおばちゃんに声をかけられた。仏ヶ浦への遊覧船「夢の海中号」に乗らないかとのこと。所用1時間ほどで800円だということで船に乗ることにした。待つ間もなく船が到着し、降りてきた人と入れ替わりに乗船するととすぐに出発。乗客は私たちだけで貸し切り状態だ。
仏ヶ浦への遊覧船はほとんどの観光客は北側の佐井から来るが、牛滝から仏ヶ浦までは2kmちょっとと近くて安い。さらに今日はピストン輸送で走っているので待ち時間もなくてラッキーだった。
船の上では船長さん?が仏ヶ浦のガイドする。一つ岩、観音岩、五百羅漢 極楽浜など説明を聞き仏ヶ浦の船着場に到着した。帰りの船は30分後とのことで岩の立ち並ぶ方へ向う。山の上の道からも歩いて降りてくる人もいて、結構な賑わいになっていた。

周りはさまざまな形状の奇岩で埋め尽くされている。岩場を乗り越えて奥に進むと三方を岩に囲まれて干潮時にしか辿り着けない場所がある。ちょうど干潮時だったので、ぎりぎり岩の横を抜けて入ることができた。
仏ヶ浦を堪能して船着場へ。観光しているうちに牛滝港を往復した船が戻ってきた。帰りの船は国道から歩いて降りてきて遊覧目的の夫婦と山登りのおじさんと一緒となった。

牛滝港から再スタート。ここからは230mのピークまで上ったあと、大細間沢を下り、さらに上り返して仏ヶ浦展望台へ。今しがた船でサッと行った距離を山の中を右往左往し、アップダウンの道で行くこととなる。眩しいばかりの新緑に野桜も混じり、幸いすっかり快晴の空となり気温も上がってきたので気分的には頑張れる。

道は完全に山の中の雰囲気となり、海の近くを走っている感じがなくなる。大細間沢まで下りて上り返していくと仏ヶ浦駐車場に到着。車がいっぱい止まっていた。ここから歩いて下れば仏ヶ浦だが標高差は100m以上ある。牛滝からの遊覧船がなければ、ここから歩いて往復するつもりだったので助かった。
まもなく仏ヶ浦を一望できる展望台、仏ヶ浦駐車帯へ到着。展望台から仏ヶ浦を眺めていると、ランドナーのお兄ちゃんが立ち寄らずに上っていった。(このお兄ちゃんとは後々何度も出会うこととなる)
展望台から少し先でも仏ヶ浦を眺めることができる場所があった。自転車でならここから眺める方が良さそうだ。

牛滝からせっかく200mまで上ったが、ここからまた福浦港まで下る。山の間から福浦港の先端が僅かに見えたが、両側を険しい岩山に挟まれた港だ。
海を背に斜面を下り、Uターンして福浦川に沿って下りていくと立派な建物が現れる、「福浦歌舞伎の館」。福浦の街の手前でたぶん今日最初の信号機のある交差点へ。
ここに食事どころ「仏ヶ浦ドライブイン」と「ぬいどう食堂」がある。ぬいどう食堂は混んでいたので仏ヶ浦ドライブインへ。ウニ丼と海鮮丼を注文した。出てくるまでちょっと時間はかかったが、写真の通りにウニも山盛りでなかなかのもので美味しかった。ランドナーのお兄ちゃんは先に海鮮丼を食べ終えて出発していった。

食事を終えて13:20、スケジュール通り。しかしここからの後半戦はやっぱり厳しかった。福浦の街中を抜けて海まで出てから国道に戻り標高200mへの上りへ。日差しが強く陽の当たる背中は温かいのだが、谷を降りてくる風が冷たい。体が冷えてくるので脱いだばかりのゴアテックスを着なおす。
食事を終えた直後なので脚への血の巡りが悪いのか、動きも鈍くなる。ただここは海へ向いた斜面に沿って上っていくので、だんだんと拡がる海の景色でなんとか力を持ち直していった。

200mのピークを超え、下った先の次の港は長後。道が一旦狭くなり見通しの悪い急カーブが連続する。道がダートに変わったと思ったら工事箇所に出た。ルート改良工事中で、やがては緩やかなカーブに変化するのだろう。
国道から離れて長後地区へ。昨日の横浜・桜木町に続きなじみのある地名だ。ここも静かで穏やかだ。
次のピークは80m。ここの坂はこれまでと変わって道端に畑も見られ海も間近。対面に大型車が停車していて、おばさんがお弁当を食べていた。車の後ろを見ると移動販売車・動くスーパーだった。

またまた海岸線まで下りると磯谷地区。ここだけでなく下北半島では良く見かけたのだが板が打ちっぱなしで外壁がない?ような建物が多くある。
ようやく海岸線のフラットな道を走っていくと目の前に願掛岩がドーンと現れる。この付近が「日本百名道」の本で見た海峡ラインの風景だ。
そして前に立ちふさがる願掛岩。なんとなく佐渡のZ坂を思い出してしまうが、ここは40m上るだけで勘弁してもらえる。願掛岩の袂まで上がり、見上げると逆ハングの柱上の岩が連なっている。

願掛岩を越えると佐井の街が見えてきた。港方面に向って「津軽海峡文学館アルサス」へ15時半に到着。仏ヶ浦遊覧船の乗船所であり土産店などもある。仏ヶ浦から帰ってきた人で賑わっていた。

ここまでくれば大間まではあと僅か(といっても十数kmはあるが)、最後の一頑張り。
佐井の街中を通る国道にでて古佐井川を渡る。地図には出ていなかったが河口側に新道の橋ができていた。ここからは地図では良く分からないが軽いアップダウンが続く道となる。

津鼻崎の材木山越で佐井村から大間町へ。奥戸地区を過ぎて国道はまっすぐに坂を上っていくが、GPSの地図通りに左折して海沿いの道を行くと小奥戸で通行止になっていた。引き返して新道の坂を上る。新しくできたバイパスらしい。
丘を上っていくと電線の張られていない鉄塔が立っている。どうやら海側が原子力発電所建設予定地で国道が迂回するようになったみたいだ。

夕方になり風が冷たくなってきた。明日は天気が悪そうなので今日のうちに本州最北端の大間崎を訪れることとする。函館港と結んでいるフェリー乗り場の近くを通り、街中を抜けて17:00に大間崎へ到着した。今日は下北半島のまさかりの刃先の部分を走り通した。
大間崎はとても強い風が吹いていた。弁天島灯台をゆっくり眺めることもできず、まぐろの像や最北端の石碑の前でなんとか記念撮影をしてから街中へ引き返した。

今日の宿はあべ旅館。玄関の中にBD-12台を入れてもらい。後で大間崎で風で倒れたときに破損したバックミラーとGPSフォルダの修理をした。

予想通りに海峡ラインは走り応えのあるルートだった。しかし今回の旅行の1番の目的だったので良い天気の中を走りきれてとても嬉しかった。

明日は曇りのち雨。夕方から雨らしいが、行ける所までは行くつもりだ。