08/05/05 下北半島ツーリング3日目

2018年3月20日サイクリング

大間-下風呂温泉-峠-大畑-奥薬研温泉-大畑バイパス-田名部-大湊 曇時々雨 78km 地図
下北ツーリングも折り返し地点で残り2日間となった。気になる天気は西から前線が近づきつつあり遅くとも夜には雨に、前線が過ぎれば晴れとなる模様だ。
今日と明日は、1)尻屋崎コースと2)薬研温泉-恐山コースの2コースを天気により決めることとしていた。明日は天気が回復しそうなので、明日を尻屋崎コースとして、今日は薬研温泉-恐山コースにすることとした。
朝起きてまず天気予報をチェックすると夕方から雨の予報となっていた。雨の降り出し時間にもよるが、1)予定通り恐山越え、2)薬研温泉で引き返し、3)雨が降った時点でバス輪行、の決定をどこかですることになる。
宿で朝ごはんを食べて、宿の犬(かな)に見送られて7:30にスタート。空はやや重たい雲に覆われ、気温も10度そこそこと寒い。R279の北側に並行する道で大間の街を抜けて、R279合流前に風間浦村へと入った。

R279に合流してすぐ、折戸坂を下れば海へ出る。このR279には「大間道」「むつはまなすライン」「北通道」と幾つもの名称が付けられている。

海沿いに出ると強い向かい風だ。がんばっても時速10kmちょっとしか出ず、この時点で早々に恐山越えはあきらめた。

風間浦村中心部の易国間の脇道へ逃げて街の中に入るとると風も少しは和らぐが、すぐに国道に戻ってしまう。対面からロードがやってきてあっというまにすれ違った。相対速度は60km以上ありそうだ。

下風呂に近づくと国道の山側にコンクリート製の橋脚がちらほらと現れてきた。事前に少し調べてきた大間線(未成線)の遺構である。

雲が黒くなり、僅かに雨が顔に当たってきた頃、下風呂温泉に到着した。温泉街の山側に大間線の連続アーチ橋が残っていて、上が遊歩道になっている。階段の横の坂を押して上ってアーチ橋の西端から遊歩道へ。

きれいな遊歩道で最近整備されたようだ。中間地点には一部レールが引かれ、駅のホーム状に作られた施設には足湯がある。ここでしばらく足湯に浸かって休憩した。天気予報をチェックするとレーダーに映るほどの雨はないが霧雨があるとのことだ。

10分ほど足湯で休み、遊歩道の東端から温泉街に降りて先に進むが、雨が先ほどより多くなってきたのでゴアテックスズボンをはき、手袋も雨用に替えた。

むつ市(旧大畑町)へ入り佐助川地区の旧道へ。交通量もだいぶ増えてきた国道と並行する道だが、長さが2km弱もあるのでありがたい。

そして遠くから見えていた切り立った岬を越える木野部峠へ。ここは100mを上る。坂の途中に「大間線木野部トンネル跡」の標識が立てられていた。(ただし、実際のトンネルは海側に離れているらしい)
この峠には登坂車線+路側帯があるので自転車でも安心して上れる。峠手前で自転車とすれ違って間もなく木野部峠を越えた。

かつてバスでこの峠を越えたときは狭い峠道だったのだが、改良工事が進行中で大畑側はきれいに整備されている。以前の細かいカーブが解消され、緩やかなカーブで幅も十分にあり歩道も付けられている。
下部の釣屋浜への大ヘアピンはまだ残っているが、ここにも谷を越える橋を架ける工事が始まっておりいずれは消える運命だ。


これまでいくつか見かけてきた大間線の遺構だが、二枚橋橋梁アーチ橋が一番有名だ。家並みの中に7連のアーチ橋がいきなり現れる。列車が通る夢は叶わなかったが、今では屋根として、作業場として、そして近隣の家のアンテナ台として立派に役目を果たされている。

家が密集してきたのでもう大畑の街かと思ったら最後に丘越えが残っていた。桜並木の大畑バイパスの坂を下り無事に大畑の街へ到着。大畑川を渡り商店街を抜けると旧大畑駅、今はバス停となっている。

ここで天気予報をチェック。下北半島でレーダーに映るような雨は降っていないので、薬研温泉まで行って休憩することとした。

県道4号線むつ恐山公園大畑線で薬研温泉へ。大畑川に沿い、なだらかで通る車もほとんどない林の中の道。霧雨が舞い、山は低くたれ込めた雲の中に隠れ、ちょっと寂しい雰囲気である。途中のヒバの集積場はいい匂いがした。


薬研温泉入口で恐山への道が分岐する。恐山への道は10%勾配で雲の中に消えている。薬研温泉は数km先だが、ここからは薬研渓流で遊歩道もある。奥薬研温泉にはレストハウスと日帰り温泉があるので奥薬研温泉まで向かった。
薬研温泉を抜けて奥薬研修惠公園内のレストハウスに到着。ここには「夫婦かっぱの湯」の露天風呂と足湯、食堂がある。
自転車を止めようとすると昨日の青年のランドナーが停められていた。

お腹がすいたので先に食事に。イカスミラーメンと海鮮潮ラーメンとイカ揚げを頼んだ。食事後に露天風呂にいってのんびりと浸かり一休み。薬研渓流を眺めながらの入浴は格別だった。

自転車に戻って出発の準備をしているとランドナー青年もやってきた。聞くと今日は大間から林道で薬研温泉に着いて近くの国設薬研野営場でキャンプの準備をしてから来たとのこと。

さて、今日の目的はほぼ果たしたので後は大湊の宿までだ。来た道を戻り、途中の小目名から農道でショートカットして大畑バイパスへ抜けた。

R279大畑バイパスは桜並木が7kmも続くことで有名な道。満開からちょっと過ぎてしまっているが、濃いピンク色の桜が道の両側に咲き乱れている。
のんびりと桜を楽しみながら走りたいものだが、霧雨が雨に変わってきた。バッグに雨カバーをかけて完全な雨装備にした。

いくつかの緩やかなアップダウンを経てR279は海から離れて内陸へ入っていく。雨がなければ海沿いをもう少し進んで浜関根のむつ科学技術館に寄ろうかと考えていたがまっすぐむつ市街へ向かいことにした。ここからむつ市街までは、関根地区だけは迂回路があったので国道から離れたが、あとは迂回路がないので国道を進む。細かなアップダウンが続き交通量も多いので、今までで1番疲れた区間だった。

むつ市の中心部に到着し大畑線田名部駅跡を覗いた後、近くにあった下北観光物産館「まさかりプラザ」に立ちよった。ここには土産品、特産品、レストランがあり観光客もそこそこにいた。

16時過ぎ、2日前のスタート地点の大湊駅に到着。今日の宿は駅横のフォルクローレ大湊。恐山には行かなかったが終わってみれば結局80km近くも走っていた。
BD-1は折り畳んで部屋へ入れた。大畑バイパスの桜の花びらが車体のあちこちにたくさん貼り付いていた。