06/08/14 北海道ツーリング3日目

2018年3月21日サイクリング

8/14(月)曇りのち晴れ 夕方から曇り
昨日は早い時刻に宿についたにもかかわらずへろへろで、「もうどこにも行きたくない」気分だったので、様似の景勝地・エンルム岬には、早朝に行くことにしていた。
6時前に起きて、エンルム岬下までは1kmちょっと、自転車で走っていく。天気は曇。夕べは晴れていたのだが、朝になったら昨日同様、もわーんとしている。
エンルム岬は海に張り出した巨大な岩という感じで、てっぺんまで急な階段がつけられている。けれども岬の先までは行くことはできない。岩盤が脆そうで、少し先のがけが崩れているのが見えた。


7時40分に宿を出発。様似市街の2キロ先にある「親子岩ふれ愛ビーチ」はキャンプ場になっており、たくさんのテントでにぎわっていた。ゆうべ、セイコーマートにビールを買いに行ったとき、紙皿などキャンプ道具を買っている人たちがいるなあと思っていたが、ここでキャンプをしていたのだと納得した。
今日は弱い追い風に曇り空と、とても走りやすいので、時速20キロ超でバンバン進んでいく。日高幌別川を渡り、馬事資料館の先にある日高幌別駅でちょっと休憩。このあたりから、日高地方特有の、馬の牧場が見え始める。日高幌別駅も「優駿の里」をイメージしていて、駅舎はまるで観光案内所のようだった。列車は一日に7往復、7時台の次は11時台…といった具合に「本線」の名が泣くほどの少なさである。
日高幌別駅から次の東町駅までの間は、日高本線の景勝地である。浜辺に線路が敷かれ、線路の周辺には柵などなく、レールぎりぎりまで昆布が干されている。昆布漁場の真ん中を、鉄道が走っているのだ。ここは道内鉄道車窓ベスト10に入る場所だと、私は思っている。



次の浦河市街はきれいに整備されていて、新しい町並みのように見えた。結構値の張るシティホテル風の宿もある。けれども市街はすぐに終わり、また海岸沿いの道が続く。
浦河から、国道は336号から235号に変わる。時刻は9時過ぎ。昆布漁を終えた船が浜に上がり、大量のとれたて昆布をつんだ軽トラックが、浜辺や道路端の昆布干し場に向かって、次から次へと通り過ぎていく。浦河から三石までは、昆布漁で大変なにぎわいだった。道路沿いには集落がいくつもあり、どの集落にも商店やセイコーマートもあり、活気にあふれていた。



このあたりから馬の牧場が多くなった。日高本線の真下に牧場があったりして、橋脚と馬の面白い写真がとれる。ここからしばらく、日高本線は牧場のまんなかをつっきるが、国道235号は海岸沿いに続く。高台にある三石温泉を通り過ぎ、みついし道の駅(三石町は静内町と合併して新ひだか町に)まで快走した。
道の駅の500m位先から鳧舞(けりまい)の脇道に入る、ずーっと国道を走ってきて脇道は久しぶりなのでほっとする。



日高三石駅で、国道は再び日高本線に合流。ここまでの道は、昨日に続き、やはり歩道はほとんどなく路肩も狭いので、あまり安全な道ではない。ただし、巨大なトラックが少なかったのが救いだった。自家用車が多いのは、お盆休みで遊びに来ていた人たちが札幌へ帰るからか。沿道には店が点在するので、食べ物・飲み物の心配は無用な点だけは安心だ。

春立駅、東静内駅と小休憩しながらいいペースで進み、予定よりずいぶん早く12時には静内に到着した。すでに50キロ以上走っていたが、追い風に乗ったせいかあまり疲れは感じない。静内駅前はきれいに整備されていたが、さびれた雰囲気があったので、「食事をするなら国道沿い」の法則に従い国道に戻ると、巨大なチェーン店モールがあった。その中の一つのファミレスで昼食。午後は静内のハイライト、二十間道路やサラブレッド街道を走る予定だ。昼食をとっているうちに、天気が回復し青空が広がった。
新冠に来るのも16年ぶり。当時、レンタサイクルで走り、楽しかった思い出がある。ぜひ、BD-1で走ってみたいと思っていた。

広尾からずっと海沿いを走ってきたが、久しぶりに山の方角へ向かう。国道をそれるとすぐに牧場が広がる。坂を上ると二十間道路の南端に到着。馬牧場の中を行き、道の両側には桜並木が続く一直線の道路だ。シーズンオフなので車のほとんど通らない広い道は、とても快適だった。

二十間道路の中間の交差点を左折し、道道71号平取静内線で山をひとつ越える。山の頂上は新ひだか町と新冠町との町境となっていた。「新ひだか町」の町名標が、三石でみたものとちがったので、もしかしたら、旧地区ごとに少しずつ標識が違うのかもしれない。

新冠町に入って下り、新冠川を渡るとサラブレッドロード(道道209号滑若新冠停車場線)だ。サラブレッド街道はその名のとおり、右を見ても左を見ても馬、馬、馬である。馬は繊細だが好奇心も旺盛のようで、自転車の私たちの姿をじっと見つめ、たまに、追ってきたりする。牧場には、往年の名馬排出の看板をつけているところが目立つ。
ナリタブライアン記念館、優駿スタリオンステーション(オグリキャップとマヤノトップガン)など競馬をよく知らない私でも馬の名前をみると「おおっ」と思う。


サラブレッド街道南端の高台の駐車場からは、新冠の町をながめることができた。向かいの丘の上に見える建物が、今日の宿、新冠温泉だ。
市街に下って、新冠駅と道の駅に寄った。最近、地方の駅は「地元住民の交流の場」を兼ねていることが多いが、新冠駅、道路側からは「出会いと憩いのセンター」となっていて、駅名がどこにも書かれていなかった。せめて駅名ぐらいはつけておいてほしいものだが。よその町から列車がやって来るのだから。

道の駅「サラブレッドロード新冠」は、新冠の新観光名所「レコード館」と農協の併設だ。この「レコード館」のまわりには、往年の優駿の石碑がずらっと並んでいて、なかなか壮観である。馬の銅像はハイセイコー。子どもの頃、ハイセイコーはヒーローだった。ハイセイコーの指人形とか、ポスターが自宅にあったことを思い出し、思わず、ハイセイコーのぬいぐるみを買ってしまった。

道の駅から本日の宿「

新冠温泉 レ・コードの湯
ホテルヒルズ

」までは2キロ弱だが、丘の上にあるので、60メートルほど上らなくてはならない。
ふらふらと丘を上ってホテルを目にしたときには、あまりの立派さにびっくりした。第3セクターでまるでリゾートホテルのような外観だ。ツインの部屋もきれいで広いし、併設の日帰り温泉もきれいで広かった。この温泉、日帰り利用の場合は500円とお得であり、町の人がたくさん訪れていた。夕食は和洋中折衷というあやしげなものだったが、適量でおいしかった。
民宿や旅館に比べればずいぶん高いかもしれないが、温泉や施設には高級感があって、リゾート気分を味わえることを考えると、コストパフォーマンスはよいと思う。ここもおすすめの宿である。