08/08/12 北海道ツーリング4日目

2018年3月20日サイクリング

8/12(火) 初山別-遠別-音威子府-美深温泉 曇 98km 地図
(文:千穂 補足:呼人)
 昨晩から続いて空には雲がかかっている。景色はぱっとしないが、涼しくて走りやすい日である。
 今日も温泉で朝ぶろを浴びて、7時から朝食をとり7:40に出発した。国道232号、昨晩、露天風呂から見えた断崖絶壁の上の丘の道を走る。ここからしばらくは数十メートルのダウンアップが続くが、追い風のためか、あまり負担に感じない。

 昨日から続いていたアップダウンが終わり、オタコシベツ川を渡ると遠別町。羽幌線跡は、昨日の橋梁跡につづき、歌越付近にもあちこちで遺構が見られた。路床は草に覆われているがはっきりとわかるし、コンクリートの橋梁もしっかりと残っている。延々と直線道路が続く横には金浦原生花園があるが、花はほとんど咲いていなかった。
 富士見ヶ丘公園にある「道の駅富士見」は広々としていたが売店は小さく、カントリーサインマグネットは売っていなかった。スタンプを押して出発。遠別橋を渡るとすぐ遠別市街に入り、セイコーマートでお茶を購入した。

 町のちょっと外れにある遠別駅跡へ。ここもバス待合所になっていた。遠別市街を抜けると、いっそうと荒涼した風景となる。宇津々橋を渡り天売国道から道道119号へ右折する。日本海とはこれでお別れ、今日はこれから内陸部の町・美深を目指す。
 幹線をはずれたので、車の数はぐっと減り、ほとんど見かけなくなる。道はまっすぐで、走っても走っても進んだ気がしない。けれども、道の両側に田んぼが広がっていてびっくり。稲作の北限は美深だとずっと思っていたが、本当の北限は遠別だった。ただし、モチ米だそうだが。普通の米よりモチ米の方が寒い地方に適しているのだろうか。

 最後の集落・清川を過ぎるとあとは廃屋しか見えず、美しいそば畑を最後に、さびしいさびしい山道となる。熊が「こんにちは」と顔を出してもおかしくない雰囲気だったので熊鈴をつけた。
 清川の「清」から名付けたのだろう、「清○橋」という名前の橋がいくつか続く。気がつけば標高150mまで上ったのだが、あまりにゆるゆるで「上った」という感じはしない。遠別町と中川町の境は咲花トンネル。トンネルを抜けて、天塩川を目指す。
一気に下って中川町エコミュージアムセンターを横目に国道40号に出る。

佐久橋で天塩川を渡り、近くの宗谷本線の駅のある佐久の町へ。佐久というからには、おそらく長野からの移住者が開拓した町なのだろう。10:50佐久駅へ。宗谷「本線」の駅がある町なのだから、かつては栄えた町だろうに、各駅停車しか止まらない佐久駅は5往復しか列車が止まらず、駅舎も「生活館」となっており、「駅」というより集会場で改築工事中だった。駅前の農協等の商店はすべて閉鎖され、さびしい限りだ。

 国道40号に戻り、音威子府までは天塩川沿いに走る。旭川から稚内までを繋ぐメインルートなだけに車の通りが多くなる。延長955mの富和トンネルは1991年完成で比較的新しいのだが歩道は幅が狭くて自転車は走れない。トンネルの中で大型車同士のすれ違いとタイミングが重なってたときはちょっと怖かった。

 幅の広いゆったりと流れる天塩川はとても美しく、このあたりの天塩川について、「天国へ通じる川」というフレーズを聞いたことがあるが、そのとおりの眺めであった。
 そろそろ昼食時間でおなかもすいてきたため、道ばたに「北海道命名の地(松浦武四郎)」の入り口があったが、ダートだったのでパス。その先の川向うの筬島駅にも寄らずに先へ進んだ。

 音威子府の街が見え、音威子府橋を渡ってすぐの「道の駅おといねっぷ」に到着。音威子府では、一部では有名な「音威子府そば」を昼食にする予定だ。ここを訪れるのは三年ぶり。当時は浜頓別から天北峠を通って訪れたのだが、峠で大雨にあい、ずぶずぶの状態での訪問で散々だった。今日は落ち着いての訪問である。恒例のスタンプとカントリーサインマグネットを手に入れ、駅前のそば屋でそばを食べるために、いったん道の駅を後にする。音威子府には駅そば(日本一おいしい駅そば)の常盤軒の他、数軒そば屋があったように記憶していたが、どの店もみな、閉鎖されていた。麺の販売のみを行っている商店で、お土産用の乾麺を宅急便で送り、もう一度道の駅へもどって、道の駅のレストランでそばをいただくことにした。
 音威子府そばの特徴は、真黒でコシの強い麺である。駅そばは温かい物しか食べられないが、やはり、音威子府そばは冷たいそばの方がコシの強さを感じるし、断然おいしい。というわけで、スタンダードにざるそばと、冷やし山菜そばを注文。写真のとおりのまっくろくろさを堪能した。音威子府そばは、北海道一、いや、日本一のそばだ。

 音威子府からは、また国道40号を走る。2キロほど走ったところで、そば屋を発見。音威子府で現役のそば屋は、駅そば・道の駅と、このそば屋の3軒のようだ。国道40号は、相変わらず車が多い。咲来駅の手前で、天塩川沿いの道へ迂回をする。
 咲来市街は寂しい限りだった。駅は小さく、駅前にライダーハウスがあるきりで、往時をしのばせる日通の大きな建物は使われなくなって久しいようだし、メインストリート沿いの商店はすべて閉められ、民家でさえ、半分近くが廃屋となっている。小学校も中学校も廃校となっていた。

 続く天塩川温泉駅までは、そば畑の真ん中を突っ切る農道を走った。そば畑には一面白い花が咲き、幻想的な風景な風景で、ここも忘れられない風景となった。

 天塩川温泉からはいったん国道へもどり、美深町に入ってすぐに再度、豊清水駅方面へ迂回した。豊清水駅前には、高校生の自転車だろうか、自転車が一台置かれていた。豊清水駅は牧場の中にある駅で、ここから国道までは、牧場の道を走った。
 国道に戻り、次の恩根内駅でまたまた迂回。恩根内から名寄まではバスもあり、少し町の雰囲気が戻ってきた。もう美深も近い。


 今日の宿は、「道の駅びふか」の裏手にあるびふか温泉である。ここは少し古い感じで売店がメイン。びふか温泉は「森林公園びふかアイランド」の中にある。「びふかアイランド」は、広いキャンプ場にサッカー場(旭川の高校生がサッカー合宿をしていた)、パークゴルフ場、広大な公園、チョウザメ館(町をあげてチョウザメの飼育をしているらしい)などなど、ここを回るだけで、2~3キロはあった。訪れる人も多く、大変にぎわっていた。キャンプ場など、ほぼいっぱい、という感じだった。

 びふか温泉は内湯一つのシンプルな温泉。夕食には美深牛も出て、とてもおいしかった。部屋もきれいだし、これで一泊二食6700円とは、大変お得でお薦めの宿だった。