08/08/11 北海道ツーリング3日目

2018年3月20日サイクリング

8/11(月) 留萌-小平-上平グリーンヒル-苫前-羽幌-初山別 晴 85km 地図
(文:千穂 補足:呼人)
 今朝もいい天気。7時からホテルのバイキング朝食を朝一番にいただき、7:45に出発した。今日のルートは国道232号オロロンライン。1987年に廃止された羽幌線跡に沿って走る。羽幌線に乗ったのは22年前の11月。車窓に見た、鉛色の日本海に吹雪のさびしい光景は、今でもはっきりと覚えている。

 留萌港を左に留萌元町から留萌橋を渡りR232へ、風は追い風で楽々と進んでいく。三泊を過ぎると留萌市から小平町に入り、まず臼谷の街に寄り道、臼谷海水浴場で国道に戻り、次に小平の街に寄り道。交通公園となった広々とした小平駅跡に立ち寄った。

 小平の街の先、高砂橋を渡ると国道は新小平トンネルに入っていくが、ここで地図で見つけていた海沿いの道に迂回した。小平町の宿泊施設「ゆったりかん」の前を通って切り立った崖下の道へ。最近整備されたようできれいな道で、行き交う車も1台きりだった。

 このころから空には薄い雲がかかり、日が陰ってしまった。ちょっと残念に思いながらも、日差しが薄い分走りやすく、左手に穏やかな日本海を眺めつつ快適に走行し、9:20に道の駅おびら鰊番屋、小平の鰊御殿に到着した。

 鰊御殿(旧花田家番屋)は、羽幌線に乗った時に車窓に見ていたもので、当時からずっと来てみたかった場所だった。自転車に乗るようになって、こういう辺鄙な場所を訪れることも可能になって、本当によかった。鰊御殿の広々とした板敷の台所は見ものであった。しかも、ラッキーなことに、鰊御殿の見学を終わって外に出たら、外はすっきりと晴れ渡っていた。


「うに」「うに」と食堂の看板が並んでいた鬼鹿地区をすぎると、景色はだんだんとさびしくなって、北海道の海岸沿いの僻地の姿となっていく。そしてなだらかな丘陵に風車が建つ姿は、最近よく目にする景色だ。海の先には焼尻島、天売島がぼんやりと見える。


 苫前町に入るとまもなく、上平グリーンヒルウィンドファームの風車群が見えてきた。オロロンラインから見上げる風車は、今まで見てきた中でも最も美しい。時間に余裕があるので寄り道することにし、ロウソク岩の先で右折、50メートルほど丘を上った。


 上平グリーンヒルウィンドファームは、50メートルから100メートルの丘陵地に約40基の風車がぐるっと並んでいて圧巻。丘には風車群の中を周回する4キロの遊歩道があり、風車を堪能することができる。丘の上には模範牧場があり、風車と牛の面白い写真も撮れる。ただし遊歩道の案内板はものすごくおおざっぱで、途中で道を間違えたがだ、そのおかげで牛と風車の写真を撮ることができた。
 自転車としては、アップダウンが厳しく、ところどころジャリダートで押し歩きの所もあったが、ここは忘れられない場所となった。わたし的には、道内ベスト10には入る景色だった。これからメジャーになるのだろうか。

 ウィンドファームに一時間ほど滞在してから国道へ戻る。ここからだんだんと丘越えの道となってくるが、追い風なので、快適なスピードで走り続け、12:20に苫前の道の駅「風W(ふわっと)とままえ」に到着。まだ新しいホテルと温泉を併設した、とても大きな道の駅である。レストランは混んでいたが、ほかに食事をするところもほとんどないため、少し待って昼食とした。イカを風車に見立てた海鮮丼「風車丼」と、牛乳スープうどん「白いスープうどん」を注文。私は「白いスープうどん」を食べたが、コクのある牛乳スープは白みそ風で、エビにホタテのてんぷらが乗って、とてもおいしかった。(ただし、好き嫌いはかなりわかれそうな味ではあるが。ついでに、食後のツーリングには少し胃にもたれた)


 夕陽ヶ丘ホワイトビーチ、夕陽ヶ丘ウィンドファームの先で羽幌町になる。羽幌の街に入り、まず羽幌駅跡のバスターミナルによった後、「道の駅ほっと・はぼろ」に到着。コンセプトは苫前の道の駅と同じで、温泉と立派なホテルを併設した大きな大きな道の駅である。さっき休んだばかりなので、ここはスタンプを押して、カントリーサインマグネットを買っただけで先へ進む。


 羽幌を過ぎると、さらに景色は単調になり、ますます荒涼とした感じが強くなる。農作物の姿は見えなくなり(苫前には稲作の記念碑があったが)、牧場かクマザサの生い茂った原生林となる。また、道にも多少起伏がでてくる。羽幌は天売島に生息するオロロン鳥がシンボルで、カントリーサインもオロロンだし、町の入口と出口の国道横には「巨大オロロン像」が置かれていた。初山別村の境界手前のオロロン像の前で記念撮影をした。


 初山別村に入っても単調なアップダウンの道が続く。初山別駅跡もバスターミナルになっていた。ここが街の中心地だと思うが、小さな食堂が2軒あるのみで、セイコーマートもないさびしい街だった。かつて鉄道が通っていた街とは思えないようなさびれ方だし、ところどころ路床が残っているほかは、鉄道が通っていた痕跡も感じさせなかった。

 と思っていたら、街を出て豊岬への丘に上り始めるところで、ぼろぼろの橋梁(金駒内橋梁)が残っていてびっくり。なぜここだけ、こんな形で残っていたのだろうか(のちに、初山別村から以北は、かなり遺構があることがわかった。撤去するお金もないのか?)。廃止されてから21年という歳月は、ここまでぼろぼろにしてしまうのかと、思わず落涙しかけた。


 何枚も写真を撮って、気を取り直して走り始めた。丘を上るきるとすぐに初山別みさき公園に到着。初山別天文台やキャンプ場、ゴーカートもあり行楽客で賑わっている。15:30、道の駅「ロマン街道しょさんべつ」に到着。今日の宿の「岬センター」はすぐ隣にある。

 苫前、羽幌につづき、初山別の道の駅も、温泉+ホテルという同一コンセプトである。(どこかの会社がまとめて開発したのだろうか?) 初山別については、巨大な公園とキャンプ場と天文台がついているので、さらにスケールが大きい。せっかく天文台があるのに、夕方から空が曇ってきて、星空を望めなかったのは残念だった。

 本日の走行距離は85キロ程度で、たいした起伏があるわけでもなかったが、なんだか疲れた。長期ツーリングでは3日目あたりで疲れと筋肉の痛みのピークがやってくる。さらに左背後からの日差しが非常にきつく、日焼け止めをぬっていなかった左足ふくらはぎが日焼けで、通常はめったに赤くならない質の私の足も赤くなってしまった。温泉に入って、17時半には夕食を食べ、早々に寝てしまった。