自転車転倒による鎖骨骨折の経緯まとめ(2006年)

自転車保険・鎖骨骨折

この記事は2006年の鎖骨骨折から完治までの記事をまとめたものです。

2006/06/10 転倒

先日の記事、「6/10富士山須走口五合目」からの下り、記事中の最後の写真を撮った数分後のことでした。
自衛隊演習場内を突っ切る下り12%の勾配が2.5km続く直線道路を時速約40kmで走行中に、前方に小動物(たぶんタヌキ)の亡骸を見つけ、ハンドルを切った際に転倒しました。
どのように転んだのか、はっきりとした記憶はありません。周りには車も人も皆無で、自転車を起こして路肩に寄せ、デジカメが飛んでいたので拾い、あとバックミラーがなくなっていたのですがこれは見つからず。ヘルメットには破損や傷はなし。
体を確認すると、右肩が痛いことと、左手親指関節がすりむけて血が出でいたので、タオルで仮の止血をしました。
BD-1はなんともなく、乗車してみると肩を打った痛みがあるものの、ハンドルを持ってシフトチェンジも問題がなかったので、須走のコンビニで絆創膏を購入して親指の止血をして、そのまま駿河小山駅まで数キロを走りました。
駿河小山駅で痛い右手をかばいつつBD-1を袋に入れて、国府津駅で御殿場線から東海道線へ。別のホームへの乗換えだったの、マッチパックをけがのない左肩に掛けつつ、左手で階段の上り下りを運ぶのはものすごくしんどかったです。
車内で右肩に触ってみると、骨の形がいつもと違って何かが出っ張っている。しかしこのときは肩の骨の脱臼だと思っていた。
そして、辻堂駅に着いた頃には痛みが増してきたので、タクシーで自宅に向かいBD-1をおき、(これが輪行200回目^^;)
そのままタクシーで救急病院に直行。レントゲンを撮ったところ、なんと右の鎖骨を骨折していました。
三角巾で右手を固定して帰宅。家に帰って体をよく調べてみると、そのほかにも両肘、右肩の後ろと、右側骨盤にの擦り傷。また、右手首が腫れてきました。
一日おいて6/12。整形外科の医師に再検診され、右鎖骨遠位端骨折で、骨が完全にずれているので手術が必要であると告げられました。ただし他には異常がなく右手首も捻挫ですんでいました。
6/14に再度通院し、入院6/20、手術6/21に決定。
6/13から6/16と6/19は普通に出社して、土日には何食わぬ顔でブログもUPしたりして。腕を動かさなければほとんど痛みはありません。
そしておととい入院し、昨日手術。全身麻酔で鎖骨の所の皮を切開し、折れた鎖骨をプレートとネジで固定し、17針(最近はホッチキスとのこと)で縫合しました。
今日は手術痕がいたみますが、土曜日には退院予定です。
以上、境川CRが見下ろせる病院から、近況報告でした。これが書けるくらい元気です。

2006/06/25 退院

昨日、予定通りに退院しました。入院から退院まで5日間で普通よりはちょっと早め、後は抗生物質で化膿を抑えて、来週抜糸の予定。
右腕は動かせる範囲で動かすようにしてくださいとの指導があり、自力で徐々に動かせるようになってきました、前と横には水平まで持ち上げることができますが、後ろはまだまだ動かすのはつらい状態。
このまま一気に回復!と思っていたのですが、痛み止めの薬の副作用らしく、口内炎が口の中あちこちにできて、痛くてほとんど喋る事ができなくなってしまいました。で、痛み止めの薬を止めてみたら、今度は熱が出てくる始末。
手術をしたことにより、体力がかなり落ちてしまったみたい。あせらずゆっくり治そうと思います。

2006/06/28 手術後1週間

今日は通院日。まずレントゲンを撮ってから、担当医に診察を受ける。
縫合箇所を消毒し、防水テープを張りなおしてもらう。傷口に血が残っていたのがふき取られ、肩の皮膚にホッチキスの列が鮮明に見えるようになった。
持参したデジカメで手術前後のレントゲン写真を撮らせてもらった。

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【手術前】
右から左へS字を描いているのが鎖骨で、左端が骨折箇所。上に飛び出しています。

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【手術後】
折れた箇所を元に戻しプレートで固定。内側の鎖骨は2本のネジで固定し、外側の鎖骨は短いのでプレートから出ているフックで骨をつかみ、ネジ1本で固定している。
以前は肩甲骨に引っ掛ける形のプレートが使われていたが、最近ではこの形のプレートが使われるようになっているとのこと。これだと腕の自由度が増えるらしい。
プレートに沿って上にCの字が点々としているのが縫合用のホッチキス17針。こちらは来週早々に抜糸の予定。
腕の動く範囲はあまり変わっていないが、少しずつ力が戻ってきているようだ。

2006/07/03 手術後2週間 抜糸

今日は抜糸の日。
右肩の傷口を覆っている防水シールをベリベリと剥がすと、皮が引っ張られている感じがなくなり、久しぶりに空気に触れる患部が心地よい。
担当医が高級感のあるラジペンの様な工具を手にして、ホッチキスを1個1個引き抜いてゆく。首を反対側に向けているので作業の様子を見ることはできない。抜かれるたびにちょっとチクチクとするくらいで痛くはない。
17本すべてを抜き終わり、消毒をしてガーゼを被せてテープを張って終了。
風呂は今日はだめだが明日からはOKとのこと。
レントゲンの様子も、プレート固定は曲がったり、ずれたりしていないので問題なし。骨折したところは2週間ではまだまだ新しい骨は見えてこない。
次の診察までは腕の動かす範囲は90度位にしておいてと言われる。
最後に、これまで聞きそびれていたプレートの材質を尋ねると
「チタンです。」
だって(^^)
ちょっと気分を良くして病院を後にした。

2006/07/19 手術後1ヶ月

2週間振りの通院。
いつものようにレントゲンを撮ってもらう。
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レントゲン写真をデジカメで撮ったが肝心のところが黒くつぶれてしまっている^^;
折れたところ(左側のフックの右側)がうっすらと白くなってきて骨が出来つつあるようである。
2週間後の次の検診まで、骨に負荷を与えないためあまり無理に腕を動かさないようにして、との指示を受けた。
「自転車に乗ってもいいですか?」と聞くと、(もうママチャリに乗っているのだが)
「いいですよ、転ばなければ」と即座に返事が返ってきた。
ということなので、転ばないように注意して少しずつ乗ることにしよう。

2006/08/02 手術後6週間

手術からあっという間に6週間経過。腕の稼動範囲もだんだんと広がってきた。
無理に動かすなとは言われているが、普通に生活していると知らず知らずのうちに腕は動いてしまう。電車でもつり革をつかめるようになった。
今日は2週間ぶりの通院。いつものようにレントゲンを撮ってから診察へ。

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前回は写真が失敗したので、今日はデジカメをあらかじめオートブラケット機能(シャッターを押すと3段階の露出で3枚撮影する機能)に設定して撮影した。露出オーバーのものが良く撮れていた。
医師からも骨が出来てきているみたいだと言われた。骨折箇所(L字になっている)は黒いままだが、たしかに骨と骨の隙間が狭まってきた感じがする。
次は4週後。そのときに経過がよければ、プレートを外す手術の日程を相談できるかもしれないと医師に言われた。

2006/08/30 手術後10週間

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レントゲンを見ると、骨と骨のすき間がほとんど埋まってきていた。もうそろそろプレート撤去手術か?と思ったのだが、「もう少し骨ができてからにしましょう」ということで、もう3週間様子をみることとなった。若さがちょっと足りなかったのかも。
肩の稼動範囲はほとんど健全状態に近くなり、バンザイも電車でつり革の上の棒をつかむのも大丈夫。両手を背中にまわして握手するのがところまではできないが。

2006/09/22 手術後13週間

いつものようにレントゲンを撮ってから診察へ。
担当医さんがレントゲン写真を見ながら「うーん・・・」と、しばしの間があく。
「お仕事に差し支える時期はありますか?」と聞かれたので「特にありません」と答えると、「じゃあ、もう少し様子を見てから抜く手術の日を決めましょう」ということで、更に3週間様子を見ることとなった。
あれ、10月は忙しいと言えばプレートを取る気だったのだろうか?
前回のレントゲンと比較して、骨の継ぎ目が画像にも写ってきているとか(新しい骨はレントゲンでは写らないそらしい)、骨折した先端部の尖っていた所が丸まってきているとか説明を受けた。
今日はデジカメを持っていかなかったのでレントゲン写真を撮ることは出来なかったので、かわりに体の中に入っているプレートの紹介です。
Scorpion スコーピオン鎖骨遠位端骨折プレート」(2ページ目)
このプレートが今、肩に入っています。材質は前にも書きましたがチタンで、固定ネジとフックは皮膚の上から触ってもはっきり分かります。
もう3ヶ月以上も入っていると違和感も少なくなってきています。

2006/10/30 手術後18週

今日、病院へ行ってきました。
本来なら、術後15週の10月11日に行く予定だったのだですが、私の事情によりキャンセルしたところ、予約を取れたのが3週間後で、今日になってしまいました。
いつものように診察前にレントゲン撮影。まずはいつもの右肩を前方やや下から。見る人が見ると骨折した所が繋がってきているらしいが、新しい骨や鎖骨の遠位側はレントゲンに写らないので素人目には大きな変化はない。

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ただし、今日はプレートを抜く手術の判定を行うのため、いつもの角度に加えて上からの撮影もしました。右手を横に伸ばして、上体はやや前傾しているので、右肩のななめ後方からの写真となる。この角度からだとプレートの状態が良く分かります。

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前回紹介した「Scorpion スコーピオン鎖骨遠位端骨折プレート」(2ページ目)と比べると穴の数とか増えていますね。バージョンアップされているのだろうか。イイコトデスネ
写真の説明をしますと、中央から右にはっきりと映って伸びているのが上腕骨、プレートに沿って左上にS字を描いているのが折れた鎖骨で、左側には肋骨が並んでいます。プレートの下のきれいな円形は上腕骨の関節部でそこから左下に伸びているのが肩甲骨になります。
(このあたりの骨格は、病院の待合室に貼られている図ですっかり詳しくなりました(^^))
と、ここまでは順調だったのですが、診察に行くと、なんと担当医が彼の事情によりしばらくお休みとのことで、ピンチヒッターの医師でした。レントゲンを見て、「腕を横からと前からと上へ上げてください」と言われたので、ホイホイホイと腕を上げたり回したり。
「問題はないので手術の予定を立てたいのですが、担当医が出てきてから相談されたほうが良いと思います」ということで、また3週間後に持ち越しとなりました。
計画通りだったら、もう撤去している予定だったのだが、あれよあれよというまに師走12月になってしまう予定。
でも、日常生活になんら支障はないし、自転車も平気で乗っているし。出来ないことといったら両手を後ろにたすき回しにして握手することがくらいです。
(骨折前は握手できました。骨折後はまったく手が届かなかったのですが、だんだん手が回るようになり、今やってみたら中指がかろうじて触れ合うことが出来ました)
まあ、付けたままでも問題はないとのことなので、気にしたりあせったりすることなく、いつものようにのんきに過ごすことにします。

2006/11/20 手術後21週

私の事情も担当医の事情も回復し、顔を合わせるのは2ヶ月ぶりである。
診察前にレントゲンも一応撮ったが、一瞥しただけで抜釘(ばってい)手術の日程の相談となり、来週後半で決定した。入院期間は前回の状況から想定して3泊4日でお願いした。
診察後は前回の入院前と同じく、心電図・採血・採尿・胸部レントゲンの各検査を行い、入院手続きをして今日は終わり。
嬉しくもあり、すっかり肩に馴染んでいるプレートを取ってしまう寂しさもあり。

2006/12/01 抜釘術

鎖骨固定のプレートを抜釘(ばってい)ー取り外しーのため、昨日入院し、今日の午後手術を無事終えました。折れた場所も骨が生成し、しっかり付いているようです。全身麻酔による手術で、意識が回復したのは手術開始から2時間後(手術自体は1時間弱)でしたが、今は痛みもなくベットの上で安静にしています。
残念ながら今まで固定していたプレートは、病院の規則でもらうことができないと、昨日の手術説明の時に聞かされ、とても楽しみにしていたのでこれは大きなショックでした。
手術後にプレートと固定ネジを見せてもらって、しばらく触ってお別れしました。
それは残念だったのですが、すぐに気持ちを切り替えて、ベッドの上で来年1月のサイクリング(4日間)の計画をたてています。
往復の飛行機と最終日の宿はパックで予約しているので、モバイルPCとマップルとツーリングマップルを広げて、宿の検索や、ルート、走行予定距離からタイムスケジュールを立てたりと、日曜の退院までには決めておきたいなと思っています。
境川サイクリングロードが見える病院の一室より

2006/12/02 鎖骨骨折・プレート

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昨日抜いたプレートの写真です。鎖骨の上にかぶせ、右肩用ですので、体の正面側の向きです。フックの着いているほうが肩側で鎖骨端を掴みし、3本のネジで固定していました。材質はチタン。渋く輝き、持った感じは思ったより重かったです。
半年近くも自分の体内に入っていたので、思いっきり愛着がありますが、再び出会うことがないようにしたいと思います。
この写真は、担当医が撮影し印刷したものを、自分のデジカメで撮影したため、ピンボケで不鮮明で残念。事前にこちらの要求をしっかり伝えて置けばよかったと後悔しています。

2006/12/11 抜糸

抜釘(ばってい)手術から10日後。抜糸である。
今回の手術は切った長さが7cm位で11針(ホッチキス)で固定された。粘着シートで保護されていてお風呂も入れるが、なるべく濡らさないようにはしていた。
張り合わせ方が良かったのか、前回と比べて非常にきれいな状態だった。担当医も「きれいについてますね」と言うくらいである。
前回とは違う器具(刃先の短い鋏状のもの)で一針一針取っていき、あっという間に抜き終わった。
1月にレントゲンを撮って最終確認の予定です。

2006/12/16 リハビリサイクリング

手術後2週間経過し、体調もようやく回復したのでリハビリサイクリングに出かけた。
ルートは何も考えてなく、足の向くまま湘南海岸CR、湘南大橋、金目川CR、鈴川CR終点へ
さて、ここからどうしようかと考えて、町田まで行って境川CRで帰ることにした。
伊勢原-鶴川温泉間の水田地帯を周って、伊勢原-あゆみ橋-海老名-かしわ台GPSの設定ルートにあまり従わずに裏道を選んで走る。

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鈴川から伊勢原へ

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伊勢原の有名な自転車店を発見

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相模川
かしわ台からは、ほぼまっすぐに南町田へ向かい、モンベルで寒さ対策のつま先カバーなどのお買い物。
帰りの境川CRはどんよりとした雲の下、向かい風に悩まされた。
手術後のリハビリというより、弱ってしまっている足腰尻のトレーニングというのが正解であった。

2007/01/15 完治

抜釘(ばってい)手術から1ヶ月半経過し、今日はレントゲンを撮って最終確認の診察を受けた。診察自体は、腕を上げて問題のないことの確認と、手術跡の目視をしただけですぐに終了。いつものようにレントゲン写真をデジカメで撮影して、最後の挨拶をして終わった。
今日のレントゲン写真

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ちなみに抜釘前は下の写真

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参考までに骨折直後の写真

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骨折したところはほとんどくっついたようだ。あと、よく見ると、ネジが入っていたところがうっすらと暗くなっているので、まだ穴が開いていると思われる。
以上、骨折後7ヶ月、今日で完治ということにします。

2007/03/26 決算


今日、健康保険の高額医療給付金が戻り、昨年6月の鎖骨骨折に関わる精算がすべて終わりました。以下が収支内訳となりますので参考まで。
症状:右鎖骨遠位端骨折
病院支払額(健保自己負担3割)
 ・入院手術(整復)12.1万
 ・通院13回     2.5万
 ・入院手術(抜釘) 6.3万
診断書
 ・診断書2通    1.0万
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  支出計    -21.9万
保険金
 ・健保高額医療給付 11.9万
 ・生保手術入院特約  5.5万
 ・自転車保険      7.5万
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  収入計      +24.9万
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  トータル      +3.0万
トータル3万のプラスでしたが、病院以外にその他もろものの出費も当然あったので、トントンだと思います。あらためて自転車保険に入ってて良かったと感じました。
しかし一番痛かったのは、自転車に乗れなかった日々というプライスレスなところでした。
※おまけ。骨折してからの走行距離
骨折中        20km
プレート固定中 1,767km
プレート抜釘後 1,540km(3/25現在)