09/03/19 天竜川・佐久間ダム
飯田-下条村-県道1号-佐久間ダム-西鹿島駅 130km ルート図
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昨晩、ルートの検討をした、県道1号は駄科駅近くの起点から天竜川の左岸を走るのだが、川の近くは通らずに高台に点在する地区を縫っていくことからアップダウンが多い。(昨年車で通ったことがあった)
右岸の国道151号線も、同じく川沿いではないが県道よりは楽そうに見えそうなので、しばらくはR151で行き、県道1号が川沿いに出てくる温田駅から県道に移ることにした。
そこからは選択の余地がない一本道。天竜川沿いを下り、佐久間ダムを通り、ゴールは遠州鉄道の西鹿島駅まで。飯田からの距離は約120kmだ。
殿岡温泉 湯~眠(ゆーみん)をスタート。すぐに河岸段丘を下っていく。今日もいい天気になったが、日陰にはいると手がとても冷たい。
R151に出て、天竜峡駅の西側を通り過ぎると、国道もここからアップダウンが始まる。
万歳大橋を渡ると下條村へ。「峰竜太の出身地」の看板がある。「道の駅信濃路下條-そばの城」に着いたが、まだ朝早いので閑散としている。
国道は谷は橋で渡り、山はトンネルで突っ切るが、直線的な上り下りで勾配も急だ。交通量も多くなってきたので、予定を変更して早めに天竜川左岸に渡り、県道1号へ出ることとした。
下条村役場から飯田線の門島駅を目指すことにして、R151から県道83号へ。天竜川支流の牛ヶ爪川の谷間を標高500mから300mまで一気に下る。
天竜川に出ると上流側に泰阜ダムと発電所が見えた。門島駅はどこかと探したら飯田線はこの先ダムへ上るためすでにだいぶ上の方を走っている。櫓橋を渡ると泰阜村(やすおか)、県道1号に出るため上り始める。
細い曲がりくねった木に覆われた急坂を上り、門島駅から200m上って標高が500mを越えたところで、やっと県道1号(長野県道・愛知県道・静岡県道1号飯田富山佐久間線)に合流した。すでに天竜川は遙か下の景色となっている。
川から200mも標高が高いが、ここからしばらく集落が続くのどかな風景に変わる。畑に囲まれ、緩やかにカーブを描き下り基調の道で楽しい。谷間は大きな橋で渡り、県道に入って5kmほど行くと川辺に下り、飯田線温田駅に着いた。
斜張橋の南宮大橋で川を渡り右岸へ。阿南町に入り阿南高校を通り過ぎるとここからV字の谷へと入り、いくつかのトンネルと橋を渡りながわ川面から数十m上っていく。天竜川は平岡ダム湖になり流れはほとんどなく水面は渋緑茶色に映る。対岸は山の中、川のすぐ上に飯田線の鉄橋だけが見える。
天龍村に入り羽衣崎橋を渡って左岸に移ると平岡ダム。すぐ下流の天龍村の中心街の平岡地区に到着。
「おいでなんしょ南信州天龍村へ」の垂れ幕が掛かっている平岡駅。「特急伊那路」が停車する駅で、駅舎は「ふれあいステーション龍泉閣」に併設され、レストラン、宿泊施設、浴場、土産物屋などがある。
天竜川橋で右岸に渡る。ここはダム下流の穏やかな流れだ。平岡駅の時刻表で特急伊那路がまもなく来ることを知ったので、ここでカレーパンを食べながら数分待って列車の通過を見送った。
10:45、ここまで45km。道路標識に「佐久間ダム40km」の文字が。まだまだ遠い。そして、R418と別れると県道1号はとても寂しくなる。すでに水の流れが留まりだし、全長33km佐久間湖の先端部に入ってきた。
対岸は中井侍駅、山の斜面に家や畑がぽっかりと存在している。山の上から下までジグザグの道が続いている。
そして、天竜川の渓谷は続く。
長野県から愛知県豊根村(旧富山村(とみやま))に入った。対岸が静岡県浜松市天竜区となり、長野、愛知、静岡3県の県境で、秘境駅で有名な小和田駅が近くにあり、線路と駅の建物だけが山の中に見えた。
大きなつり橋が見えてきた。鷹巣橋を渡ると大嵐駅(おおぞれ)に出る。飯田線はかつてはこのまま天竜川沿いのルートを進んでいたが、佐久間ダム建設でダム湖に沈むため、大原トンネルで隣の谷の水窪、秋葉街道へ向かう。大嵐駅の先に旧線のトンネルもあるのだが、このときは知らなかったため見に行けなかった。
天竜川の渓谷の中にぽつんと存在するように旧富山村の街がある。富山村は離島を除くと人口が日本一少ない村だったが2005年に豊根村と合併した。
「森遊館」を過ぎると天竜川の支流を1km位を上って橋を渡る。なかなか佐久間ダムに着かない。
川岸に飯田線のトンネル跡と橋脚跡が見えた。
ますます道はひっそりとしてきた。素堀のトンネルをいくつも抜け、地形に沿うようにカーブと上り下りを繰り返す。すれ違う車もほとんどない。
佐久間ダムまであと5kmで新豊根発電所。ここは山の上に新豊根ダムがある揚水発電所だ。近くで浚渫作業をしており、ここからダンプが往来する道となる。
1車線で1kmほどの狭くて長いトンネルが3つ連続する。まず松島トンネル。入口から100m位進んだところで反対側からダンプが入ってきた。煌々としたライトが近づき、すれ違う前に壁にぴったりと寄ってやり過ごす。次の丸山トンネルは途中に待避所があった。最後の鰻樽トンネル。ここも途中に待避所あるが、途中でカーブしていて先が見えずすごく怖かった。幸いなことに後の2つのトンネルでは車に遭遇しなかった。
そして13:30。飯田から83km。ようやく佐久間ダムに到着し、道はダムの上を通っていく。佐久間ダムから天竜川の上流を眺める。ダム湖は山の中に消えていくが延々と続いているのだ。
佐久間電力館を横目に次のトンネルへ。ここから先は2車線の広いトンネルになる。トンネルの途中に展望台へ通じる通路があり、100mくらい細いトンネルを抜けると展望台。ダムを間近に見ることができる。
この後は下り坂で一気に佐久間の街へ下る。中部天竜駅に寄り道。駅横には佐久間レールパークがあり、いくつかの車両が展示されている。
場合によってはここから輪行することも考えていたが、天気も良いし時間もまだ余裕があるので予定通りあと30数km走ることにした。
R473に入り、佐久間発電所、佐久間駅を過ぎると天竜川の渓谷へ入る。大井橋を渡りR152秋葉街道と合流。この先もまだまだ天竜川の渓谷が続く。
だんだんと疲れて淡々とペダルを漕いでいった。対岸に県道が続いているのは地図で分かるのだが、どんな道か分からないので国道で走った。見たところ良い感じのようである。
秋葉ダムに寄り道をしたが国道をさらに進み、道の駅「天竜相津花桃の里に到着。ここから天竜川に立派な歩行者用の橋が架けられている。地図にも出てなかったのだが、せっかくなので渡ることにした。
「夢のかけ橋」というこの橋。このレポートを書くときに調べて知ったのだが、国鉄佐久間線の未成線を橋脚を利用して歩行者橋にしたそうだ。よく考えればなんでわざわざ川を斜めに渡るこんな立派な歩行者橋があるのかと気づきそうだが、そこまで頭が回らなかった。
ここから先、写真もほとんど撮らず黙々とペダルを漕ぎ、16:55ゴールの遠州鉄道西鹿島駅に到着した。走行距離130kmだった。