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09/08/12 ’09道東ツーリング5日目

08/12(水) 厚床-新酪農村-風蓮湖-走古丹-別海 92km ルート図

(文:千穂 補足:呼人)
しばらく暑い日が続いたが今日は寒い。半袖にゴアテックスを羽織っての走行となる。
春や秋のツーリングという感じだ。道東は、天気が悪いと本当に寒くなる。宿のおばあちゃんが「半袖を着られるのは年に2、3日しかないから」と言っていた。昨日の暑さは異常だったらしい。
宿近くのセブン-イレブンで朝食のサンドイッチと昼食用のおにぎり(今日は本当に食べるところがなさそうなので)を買って、部屋で朝食を食べ、7時40分に出発。
出発して間もなく、近くの牧場で鹿の群を見た。私たちに気づくと、牧場の奥へと逃げて行った。


すぐに根室市と別海町の堺となる。別海町のカントリーサインは牛。なにしろ人口の10倍の、10万頭の牛がいる、日本一の酪農の町なのだから。
今日の目的地の別海市街までは、厚床駅から20数キロなので、まっすぐ行けばすぐについてしまう。今日はそこを、ぐるぐるといろいろ寄り道して90キロ走る予定だ。

まずは奥行の集落へ。17年前に廃止された標津線奥行臼駅跡があるからだ。駅舎とプラットフォームがそのままの形に残されていた。夏場の日中は、待合室も開放される。旅人ノートが置かれているのが見えた。(10時開館なので入れなかった)
すぐ近くには、明治時代に作られた奥行臼駅逓所も町の史跡としてきれいに保存されていた。

道道930号線と新酪農道で新酪農村をぐるりと廻る。酪農地帯のど真ん中を走る道。たまに地元の車両が走るくらいだ。

新名所「新酪農村展望台」へ。10メートルの鉄塔が建っており新酪農村を見渡せる。ただし、天気がいまいちなので、景色もそれほどすっきりしない。雌牛「MOMO」の看板がおもしろかった。
なにわナンバーのライダーと居合わせたので、写真を撮ってもらう。自転車の場合、今日のような天気の場合、「涼しくて」走りやすいが、ライダーには「寒くて」あまり楽しい日ではないそうだ。

風連湖に向けて国道244号にぶつかるまで新酪農道を走る。一帯はヤマギシズムの土地のようだった。

R244に戻り別海温泉の先で東へ向かう。景色は変わらないが羊がかわいかった。

R244で根室方面に700m程行き、万年橋でヤウシュベツ川河口湿原を見てから引き返して本別海へ。

R244の右手は風連湖があるのだが、原野の木々にさえぎられ見晴らしのない。淡々と走ると本別海。小中学校とガソリンスタンドと郵便局と小さなスーパー「ライフマート鱗(りん)」が一軒あるのみの小さな集落だった。スーパーでトイレを借りられて助かった。トイレ代として、昼食のおかずにソフトサラミを買い、風連湖畔の砂州に続く道道475号風蓮湖公園線で走古丹をめざす。

風連湖畔の砂州が今日の目玉だ。道の両側は「走古丹原生花園」となっていて、いままで見た花園の中で一番美しく花が咲いていた。
砂州の先端手前で道が二つに分かれていて、先に集落のある右の道を選択。こんなさびしいところに集落があるのかとびっくりしたが、入植115年の碑が建っていたし、かつては小学校もあったようだ。(今は防災会館?) 民宿兼雑貨屋もあったが、とても静かでとにかくさびしい。
肌寒かったので自動販売機で暖かい缶コーヒーを購入。真夏でもホット飲料があるのが道東だ。漁港に東屋があったので、ここでおにぎりとコーヒーとサラミの昼食とした。人影もなく車もほとんど通らなかった。

朝よりも気温が下がった気がするので、ゴアテックスの下にもう一枚シャツを着て、半ズボンから七分ズボンにはきかえた。
反対側に、突端まで道があるという砂州が見える。ツーリングマップルによると、先端部分はダートとのこと。あまりひどい道なら引き返すつもりで走ることにした。
けれども、この道、走って大正解だった。たまに砂がつもって自転車では走れないところもあったが、9割方はOK。野付半島よりも道幅が狭く、湖と海を両側に見ながら走ることができる。

原生花園と原野と湖と海。天気がいい日は最高の絶景だろう。今日のような天気のときは、寂寥とした雰囲気を存分に味わえる。とにかく「景色はいいけど相当にさびしい。。。」場所である。このさびしさがある意味、快感な道だった。
砂州の突端で記念撮影。昨日行った春国岱の先っぽが向こう側に見え感動した。訪れる人もとても少なく(数時間の間にライダー数人を見ただけ)ここはとてもお勧めだ。

本別海にもどって、さっきのスーパーでまたトイレ休憩。このスーパーは自転車乗りには大変ありがたい店だ。地元の人にも愛されているようで、ひっきりなしに車でお客がやってきていた。
ここから別海までは15キロ。道道364号のほぼまっすぐな道道が続く。周囲は大規模牧場だ。どこも「有限会社」の接頭語がつく規模だ。放牧されている牛の数も多いし、道の両側が同一牧場の持ち物らしく、「牛横断注意」の標識が目に付く。

16時すぎ、旧別海駅近くの本日の宿「マグハウス」に到着。この宿、夏場は企業の運動部の夏合宿によく使われるそうだが、今日は私たち二人のみの宿泊。アウトバス・トイレの和室だがきれいだし、お風呂は広いし、コインランドリーも完備され、夕食も良質な家庭料理で、内容の割にとても安いお勧めの宿。

近くのスーパーで今夜の晩酌の品を購入。酒売場ではスーパーのおじさんに「サッポロクラシックは北海道限定のビールでおいしいよ」といわれた。もちろん、北海道で買うビールはいつだって「サッポロクラシック」です。
そのほか、別海町の特産のチーズや飲むヨーグルト、べこ餅などを買った。
夜の気温は15度を下回るほど寒かったが、別海フーズで楽しい夜となった。
「マグハウス」一泊二食5900円(和室二名料金)

呼人

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