08/08(土) 釧路空港→鶴居→コッタロ湿原→シラルトロ湖→茅沼 67km ルート図
霧/晴れ/曇
(文:千穂 補足:呼人)
恒例の夏休み。今年は道東根室を中心に走ることにした。北海道の中でも夏場の天候がすぐれない(霧が発生する)ことで有名な根釧原野なので、気持ちの良い青空があまり期待できないことが不安だった。
JAL1145便の羽田出発はいつものごとく少し遅れたが、釧路空港到着はほぼ時間通りだった。釧路行きの飛行機は満席だったが、他の便には空席もめだち、例年よりは羽田空港も空いているように感じた。まだお盆には少し早いからか、もしくは高速道路1000円のせいか。
たんちょう釧路空港は、思った通り霧に覆われていた。晴れていても曇っているような感じだ。自転車を受け取ってターミナル出口でBD-1を組み立てようとしたところ、あざBDのフィッシュボーンが折れていた。スペアのフィッシュボーンは持ってきていなかったので、結束バンドで応急処理。とりあえず、走るには問題なさそうだ。
10時に出発。道道釧路空港線で山花地区へ出て、鶴居村へ向かって北上する。道道666号から、雄別鉄道廃線跡の釧路阿寒自転車道を経由し、道道53号に入り、北斗坂を上ると最初の観光ポイントの北斗展望台だ。道路から遠めに見る釧路湿原は霧に包まれているし、北斗展望台からの眺めはあまりよくない(鉄塔が目に付く)うえ、展望台入場料がかかるためパスして先を急ぐことにした。
釧路市から鶴居村に入り、温根内ビジターセンターを過ぎると、霧が晴れて青空が広がり、強い日差しが照りつけた。思いのほか暑い。道道53号沿いを下幌呂、下雪裡と進み。正午過ぎに鶴居村市街に到着した。道道の道端にはしゃれたレストランがぽつぽつとあったが、市街にはあまり食堂はなく、蕎麦屋で昼食をとることにした。自家製蕎麦はうどんのような切り口で、豚丼は濃い味付けでおいしかった。
鶴居からは東方へ方向転換、車のほとんど通らないさびしい道を進む。景色もあまり変わらない山道もしくは原野で、しかもツルワシナイ川を挟んで50~100メートルのアップダウンを繰り返す。日差しが強く疲れ気味。ここらあたりは雪裡原野、クチョロ原野というらしい。牧場が数軒しかない集落が2、3あるのみだった。
久著呂川を渡り標茶町に入り、道道1060号へ進む。コッタロ湿原が近づくと「釧路湿原国立公園」の看板がたてられており、荒れた舗装道となり路面状態が一挙に悪くなった。いままでは生活道路だったが、ここからは国立公園の道路でなので自然優先なのだ。
左側にコッタロ湿原が広がってくる。道路からは木々が遮っているため湿原の風景はよく見えないが、コッタロ湿原第一展望台は小高い山の上にあり、湿原を北西の位置から眺めることができる。こちら方面からながめるのがはじめてだった。雄大な湿原の中に川が流れ、遠くにはシラルトロ湖、サルボ、そして釧網本線の列車が走っていくのが見えた。
展望台から先の道路は湿原保護のためにダートとなる。けっこうしまっているので自転車でも走ることができるが、車が通り過ぎると、もうもうと砂煙があがり体には悪そうである。湿原の中の釧路川は流れが速く渦を巻いていて、水かさも多く、うっかり川にはまったらあっという間に流されそうだった。
二本松橋を渡るとダート道もあと少し。コッタロ湿原を縦断して釧網本線の踏切を渡ると塘路湖に出る。ここから国道391号でシラルトロ湖へ向かって走り続け、一丘越えるとシラルトロ湖に出る。対岸に今日の宿「憩いの家かや沼」が見えるが、道も橋がないため、湖をぐるっと数km程回りこむ形となる。
道道959号に入り、茅沼駅で写真撮影をする。久々におとずれると、駅前が広大な畑になっていてびっくりした。以前は原野で丹頂鶴が飛来していたものだが、畑となってしまったからにはもうあまり来ないのではないだろうか。20年以上前、まだ有人駅で駅員が餌付けをしていた頃に建てられた看板「丹頂鶴が飛来する駅」が、崩れかけながらもかろうじて残っていたが。
「憩いの家かや沼」は17年前の新婚旅行のときに日帰りで入浴しにいった場所だ。当時は茅沼駅前の民宿に泊まって、お風呂だけ入りにいったのだ。
建物はかなり老朽化しているが、露天風呂もあり(17年前はなかった)、源泉掛け流しで、なかなかいい温泉である。
原野の中の宿なので、明かりに引き寄せられて網戸の隙間から小さな虫がひっきりなしに入ってきて、体のあちこちをさされてしまった。
「憩いの家かや沼」一泊二食7035円(入湯税300円別)