えちぜん鉄道は、福井県福井市から延びる2つの路線を運営している鉄道会社です。
三国芦原線は芦原温泉、そして東尋坊の手前の三国港まで、水田、麦畑の中を走ります。そして、もう一路線が勝山永平寺線、永平寺口から恐竜の勝山へ、山へ向かって九頭竜川に沿って走ります。
いずれも1時間に2本程度、1,2両編成の電車がのんびりと走る、いわゆる地方鉄道です。
今回、福井ツーリングのルート検討中にえちぜん鉄道の事を知りました。東尋坊から九頭竜湖へ向かうとき、天候や疲れ具合によっては利用できるルートであること。そして土日祝日の昼間帯の全ての列車にサイクルトレインとして、自転車をそのまま乗せられることを知りました。
さらに調べてみると、えちぜん鉄道はかつては京福電鉄が運営していましたが、2度にわたる列車衝突事故で運行停止となり、第3セクターとして生まれ変わったこと。また、地方鉄道としては珍しい、アテンダントという乗務員が乗車しているとのこと。
そして、初期から勤めているアテンダントの嶋田さんが執筆した『ローカル線ガールズ』を読みました。アテンダントの業務内容としては車内でのアナウンスや切符発売。観光案内や乗り継ぎの相談なども行っていますが、開業当初は何をして良いのか分からないこともあったが、メンバーで相談するごとに問題点の改良や、いろんなアイデアや出てきたそうです。
これは是非ともえちぜん鉄道のサイクルトレインに乗車してみようと思い、今回のツーリングルートに組み込みました。
乗車当日、芦原温泉の玄関口、「あわら湯のまち」駅の窓口で、松岡駅まで自転車を載せたい旨を話し、1日フリー切符とサイクルチケットを購入。自転車を押して改札口からホームへと入りました。
勝山永平寺線の松岡駅までは福井口で乗換が必要です。そのこともあってか駅員さんが電話で「自転車2台乗車、松岡駅まで。」とどこかへ連絡していました。
ホームに自転車を並べて少し待つと、三国港発福井行きの1両の列車が到着。自転車は3ドアの一番後の扉から乗せます。無人駅では一番前の扉だけが開いて乗降しますので、自転車が利用できる駅は決められています。
福井行きの列車は、まだ朝早いためか残念ながらアテンダントは乗車していませんでした。車両の一番後にBD-1を2台並べ、列車の揺れで倒れないように支えながら乗車しましたが、車内がすいているときは握り棒に付いているロープで固定することもできるようです。
30分ほどで西福井駅に到着。ここで乗換ですが、到着した2番線ホームは幅1m位でとても細く、1番線への乗換は通路で線路を渡っていきますが、数段の階段の上り下りとなります。5分ほどで勝山行きが到着。この列車にはアテンダントが乗車していましたが、なんと本の著者の嶋田さんでした。
案内を受けて自転車を載せ、「サイクリングですか~」などと少しお話して、写真を撮らせていただきました。車内での観光案内やグッズ紹介のアナウンスなどを聞いているうちに松岡駅に到着。電車を降りた目の前が改札口で、自転車を組み立てる必要なくそのまま出発できます。
その後は旧道を辿りながら終着駅の勝山へ向かいましたが、途中の駅で勝山から折り返してきた列車に嶋田さんが乗っているのを見つけたので手を振ると、向こうも気づいてくれて手を振ってくれました。
1日フリー切符が800円、1日有効なサイクルチケットが200円。1,000円で1日自転車乗せ放題です。
サイクリストにも優しいえちぜん鉄道をぜひ利用しましょう。
■ハローキティえちぜん鉄道バージョン
→【えちぜん鉄道】
→【えちぜん鉄道サイクルトレイン】