8/19(金)快晴 士別-塩狩峠-比布-旭川…旭岳温泉 67km ルート図
(文:高森千穂)
今朝は快晴。北海道に来て、初めて、部屋に差し込む朝日を見た。
今日は旭川まで出て、そのあと、宿のマイクロバスで旭岳温泉まで登る。天気がよいので、ロープウェイで旭岳を見に行く予定だ。
7時半過ぎに宿を出発。やや肌寒いが、日差しが出ている分、快適に走れる。広大な畑を貫く道道を走っていると、学校へ向かう中学生と、何人もすれ違う。北海道では、すでに新学期が始まっているのだ。
士別市と、お隣の剣淵町には、陸上選手が多数合宿にくるとのこと、道沿いにはキロ数を表す羊の看板が建てられていた。
剣淵町は「絵本の里」として売り出している。絵本の全国公募をやっていることで有名で、絵本館がある。子どもの本には多少かかわっている私だが、ここには私の本はないだろうなあ、絵本には縁がないからなあ、などと思いながら通り過ぎる。
「道の駅絵本の里けんぶち」に、8時半過ぎに到着。開館は9時で、しばらく時間がある。スタンプとアントリーサインマグネットをコレクションするために、開館までしばらく待つことにする。道の駅の裏にある遊歩道を走ったり、自転車を整備したり。他にも、開館を待つバイクや車の人が何人かいた。
道の駅からは国道40号を旭川に向けて下るが、とにかく交通量が多い(というか、正確には、「普通の道路程度に車が走っている」という表現が正しい)。
すぐ脇を大型トラックが通り過ぎるので結構怖い。和寒駅までは脇道で進んだが、その先塩狩峠へは国道で越える以外に道はない。
塩狩峠は、三浦綾子の小説で有名な地だ。中学生の頃「献身の精神を学ぶ(キリスト教系の学校だったので)」ということで、夏休みの課題図書として読まされた記憶がある。今や塩狩駅は、ひっそりとしたただの田舎駅で、駅の近くのYHも、何年も前に閉鎖されている。さびれた観光地となってしまっている。
塩狩駅の写真を撮っていると、無人の踏切に、突然、「列車が通過します、渡らないでください」との放送が入った直後、特急列車がものすごい勢いで通り過ぎていった。
ちょっと時間的に余裕がなさすぎで危険だが、そもそもこの駅を使う人は、ほとんどいない前提なのだろう。事実、大宮ナンバーの車のおじいさんが、写真撮影に訪れているだけだった。
峠を下ると、広大な穀倉地帯に入る。旭川に近づくにつれ、周囲は町の雰囲気になる。国道40号から農道を通って国道39号へ抜けると、「道の駅当麻」に行き着く。現在の当麻町のカントリーサインは、売り出し中のすいか「でんすけすいか」のキャラクターだったが、道の駅のカントリーサインマグネットは当麻鍾乳洞のものだった。最近変わったのだろうか?
8月19日は「バイクの日」ということで、道の駅では、バイクの安全教室が開かれており、訪れたライダーはいろいろ指導を受けていた。私たちも、係のおばちゃんたちからパンフレットや粗品の旗をもらったりした。
永山駅前で昼食にすることに。「ラーメンよし乃」という店の前を通りかかったので、入店したが、濃い味が特徴の旭川ラーメンは、とてもおいしかった。味噌ラーメンはもちろん、醤油もこってりとしており、後日、ネットで調べると、旭川ラーメンの店としてかなり有名な店だったことが判明。通販までしていた。
永山からは石狩川堤防を走り、14時前に旭川駅前に到着。なんと、駅舎が消えていてびっくり。建て替え中だったからなのだが、それを差し引いてもずいぶん雰囲気が変わっていた。メインストリートの「買い物公園」も、全般的にさびれたイメージである。
旭川駅からは、今日の宿「LaVista大雪」のマイクロバスで、一気に標高1000メートルの旭岳温泉へ上る。晴天だったので、旭川郊外からも、はっきりと美しく、旭岳の姿が見えた。旭岳に向かうにつれて気分が盛り上がる。天人峡との分かれ道までは、かつて自転車で走ったことのある道なので、マイクルバスからの眺めに、思い出にひたった。
宿にチェックインしたあと、さっそくロープウェイに乗りに行くことにする。明日の朝よりも今日の夕方の方が天気がよいようなので、夕食前に旭岳を見ることにしたのだ。
旭岳のロープウェイは空いていて、一番前の特等席で上って行く。窓が広いので、鳥になったような気分で樹海をながめることができる。かなりの臨場感だ。
旭岳ロープウェイの駅は、標高2000メートル弱。一周一時間程度の遊歩道がある。山頂まではガレガレの登山道を歩かなくてはならないので、それなりの装備が必要だ。
快晴で、しかも順光だったので、遊歩道を歩くだけでも、充分旭岳の美しさを満喫することができた。また、遠く暑寒別岳を望むことができ、すっかり満足。
結局1時間以上遊歩道を歩いて、ホテルに到着したのは17時半過ぎだった。急いで温泉で汗を流して、18時からはフランス料理のディナー。ちょっと量は少なかったけれどおいしかった。
旭岳温泉は、大奮発で高額の宿「LaVista大雪」を予約したが、ここは、部屋・温泉・料理とも一流だった。