10/01/11 宮崎鹿児島ツーリング3日目
内之浦-岸根温泉・・・大隅路-郡-大泊-佐多岬-大泊 53km ルート図
3日目。今日も大隅半島を南下し本土最南端の佐多岬へ。最短距離で85kmだが、大隈半島の500m以上の山地を越える必要がある厳しいコースだ。さらに天気も下り坂で今日の夕方から明日の午前中まで雨の予報だ。そうなると今日中に佐多岬に行っておきたいので、途中の区間をタクシー輪行することとした。
宿からは内之浦湾の穏やかな水面が防風林越しに見える。内之浦をスタートし、ロケットセンター(内之浦宇宙空間観測所)へ向かう。山に向かう道は道路改良が進み、新しい橋はそれぞれ惑星の名前がつけられ、この道も「宇宙への架け橋国道448号」と称されていた。
標高250mまで上った峠にJAXAの「宇宙航空研究開発機構内之浦宇宙空間観測所」の入り口がある。初めは素通りの予定だったがタクシー輪行することにしたので見学する時間ができたのだ。
受付で住所氏名を書くと敷地内を自転車で走れる。日本初の人工衛星「おおすみ」や管制センターなどさまざまな施設が点在しているが、構内は急坂の連続である。
現在の観測用ロケットの発射台地であるKSセンターから大パラボラアンテナを過ぎると、谷を橋で渡り、もう一つのパラボラアンテナが立つ山の上へ至る。ここの衛星(ほし)ヶ丘展望台からは小さい頃「内之浦からロケットが打ち上げられました」の記憶がある場所であるM台地を見ることができた。
上ってきた道を戻り、受付の隣にある宇宙科学資料館を見学。
宇宙センターからはほぼ下り道数キロで一気に岸良地区へ。途中に高田の滝や岸良の穏やかな湾岸を眺めながら走った。
岸良地区の先に続く道を眺めると山肌を延々と上っていく様子が見えたので、予定通りここからタクシー輪行とすることにした。
岸良派出所で「近くにタクシーの営業所はないですか」と聞くと、ここにはタクシーはないので内之浦から呼ぶことになるとのこと。お巡りさんが電話で呼んでくれた。
街中を一回りしてから輪行準備をして待つことしばし、電話してから20分ほどで「銀河タクシー」が到着。岸良派出所のお巡りさんありがとうございました。
目的地を告げてタクシー発車。あっという間に山を上っていく。海から離れると単調な景色の中を進むので自転車でなくて良かったと思った。この先は食べるところもないとのことなので途中の田代地区のスーパーによって、おにぎりとサンドイッチを購入。
その後、県道68号線に入り、半島の内陸、標高600mの所、地図でめぼしを付けていた林道の分岐点まで向かう。岸良から30km強、料金は8,000円余だった。
林道の分岐点から再スタート。そこからはしばらくダウンヒルの山間の峠道で、風車群を横に見ながらしばらく下ると、やがて視界も開け人家が出てきた。
ここから大泊へは一般的なルートをはずれた東側ルートで行くことにしていた。「佐多岬」の立て札に従い県道を離れると、南国の自然の中のさびしい道、道幅も軽トラックでいっぱいいっぱいなくらいだ。
平野まで下ると郡地区に到着。小学校と郡へき地出張診療所を過ぎ、「佐多岬」の立て札で向かう先は、20%はある急坂だ。しかしクロネコヤマトの車をはじめ、結構車が往来している。
県道68号に合流し海へ下ると岩がごつごつとした海岸に出た、大隅半島の先端に近づき、最果ての雰囲気を感じてくる。
後は細かなアップダウンの連続だけど南国の木々の中を走るのは気持がいい。竹之浦、外之浦と小さな街を走っていく。驚いたのは、ここではコミュニティバスが走っているが、便数は月曜と木曜の週2本だ。
いよいよ本土最南端の街、大泊地区にやってきた。本土最南端大泊郵便局や本土最南端の大泊小学校と本土最南端のオンパレード。佐多岬ロードパークのゲートには「通行無料」と掲示されていた。ゲートの横の道に入り今日の宿「ふれあいセンター(ホテル佐多岬)」で荷物を預けた。
そしてラストは今回のツーリングの目的地である佐多岬へ。ふれあいセンターから海沿いの道を進むとやがて旧ロードパークに合流。ここから先はかつては有料道路「佐多岬ロードパーク」で自転車歩行者が通れないことで有名だったが、2007年から町道となり通行できるようになった。
観光船さたでぃ号の発着所がある田尻地区はロードパークを離れて海沿いの道へ。ロードパークはいったん山を越えるので海岸線のこのコースをを行ったほうが楽だ。
第2ゲートを過ぎるといかにも南国の山が目の前に現れ、そして北緯31度線を越える。
離れ小島の高台に建つ佐多岬灯台が見えてきた。ポツポツと雨が降りはじめ、次第に強くなる風に吹かれながらと、最後の道は厳しかったがようやく佐多岬のゴールに辿り着いた。
駐車場に自転車を停め、トンネル入口で入場料300円を払う。トンネルの先から遊歩道で展望台を目指す。御崎神社からかつてのレストハウス廃墟と歩いていく。海を見下ろす場所もあり、沖合いをジェットフォイルやフェリー、貨物船など多くの船が行きかっている。
そして高台の上に建つ展望台に到着。かなり老朽化しているが、かつては多くの観光客で賑わっていたと聞いている。
展望台の一角には「日本本土最端地 四極交流盟約 根室市 長崎県小佐々町 佐多町 稚内市」と書かれていた。最西端にはまだ行ったことがない。
遊歩道を戻り、入口で本土最南端到達証明書と佐多岬北緯31度線のステッカーを購入した。
ふれあいセンターに戻ってチェックイン。今日の宿泊客は私達一組だけだが、宴会や近所の方が夕食を食べに来たりしていた。
「ツール・ド・おおすみサイクリング大会」のポスターが貼られていた。明日はこのルートで鹿屋まで走って、鹿屋から鹿児島空港までバスの予定だ。