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08/10/19 安倍峠

10/19(日) 身延駅-豊岡梅ヶ島林道-安倍峠-梅ヶ島温泉-静岡駅 80km 地図
安倍峠。山梨県と静岡県にまたがる峠のことを知ったのは3年位前。サイクリングコースをいろいろと検討していたときだった。

身延と静岡を結ぶコースで距離は80kmほど。しかし、安倍峠は落石で通行止めとの情報があり、さらに標高が1,400mもある峠である。当時の脚力では不安で、いつか行ければいいなと思っていた。

その後、安倍峠の通行止めも解除され、地元の三振王さんが何度も訪れている。1,400mの標高も今では臆することがなくなったので行くことにした。

前日の夕方から移動して、富士駅近くに前泊し、翌6:51発の身延線普通列車に乗車した。2両編成の車両には学生、登山、朝帰りの乗客に混じり、自転車は私たちだけである。半分寝つつ、車窓に広がる富士川の流れを見ながら1時間ちょっと、8:03に身延駅に到着した。

【08:10 0173m】
身延駅を出発。ここの標高は170mであり安倍峠までの標高差は約1300m、ほぼ2ヤビツとなる。身延橋で富士川を渡り、自転車歩行者用トンネルを抜けると身延の市街に入る。


【08:25 0200m】
街中を抜け、身延山久遠寺への道と分かれると国道52号線に合流する。大城の分岐までは1kmほどなのでそのまま右側の歩道を走っていった。
大城(おおじろ)入口交差点先のローソンでおにぎりを買ってから、県道808号線に入り、のどかな谷間をのんびりと上り始める。雲ひとつない空が広がっている。

【08:51 0300m】
「門野の湯」という公共温泉の看板を横目に、前方に立ちはだかる山へ一直線に向かっていく。大城の集落を抜けると人家がなくなり、少し下って砂防ダムを過ぎると「豊岡梅ヶ島林道」だ。

【09:13 0400m】
林道は狭い谷間へと吸い込まれる。糸魚川静岡構造線の標識があり、言われてみると岩が露出している絶壁の崖が間近に見られる。崖を伝って上っていく坂道は、路面もすこし荒れぎみだ。今日は1泊の荷物を持ったままなので、自転車が重さを実感する。この前の大弛峠は荷物が軽かったのでだいぶ楽だったが今日はちょっと辛くなるかもしれない。

【09:29 0500m】
両側を高い山に挟まれた森の中へと道は入っていくと、GPSの位置測定が途絶えがちになった。GPS衛星を3~4機受信しているのだが、この時間帯は一直線の配置になっているため、なかなか位置が出てこない。

【09:46 0600m】
断層か地層か、さまざまな色の岩が縦に並んでいる。ここまで川に沿って、西へ向かって上ってきたが、ここで大きくUターン。


【10:02 0700m】
森林の中を抜け、視界が開けてきた700m地点で休憩にして、おにぎりを一つ食べた。
休憩後、少し上ったヘアピンカーブからきれいに富士山が見えたので、ここで休憩にすれば良かった。


【10:25 0800m】
二つの尾根とその間の谷を行ったり来たり
西側に行くと深い谷を挟んで一面の山が聳え、東側に出ると幾重にも続く山々と富士山が現れる。

【10:42 0900m】
同上。


【11:01 1000m】
ほとんど垂直ではないかと思うような崖に、道がへばりつくように付けられている。こんな道でも車やバイクグループがそこそこやってくる。相方が上から車で降りてきたおじさんに「(そんな)自転車で上るの?大丈夫?死んじゃうよ」とか言われたらしい。

【11:16 1100m】
標高も1,000mを越えると紅葉しはじめた木が目立ってくる。道はあいかわらず尾根を左右に行ったり来たりで、峠への直線距離はすぐ近くなのだけれども、ちっとも近づかない。


【11:35 1200m】
視界がぐんと開け、富士川流域まで見えるようになってきた。と思ったらなぜかパンダが出現!


【11:52 1300m】
富士山撮影ポイントには何台もの車が停車して、写真を盛んに撮っていた。富士山にはだんだんと雲が掛かってきている。峠まではあと1kmだが、標高はまだ100m以上ある。平均勾配に直しても10%で、場所によっては15%以上の坂となる。


【12:08 1400m】
ピーク手前に旧峠へ行く道がある。しかし数台の自動車が駐車してあり、気づかずにそのまま上っていってしまった。ゲートを過ぎると程なく安倍峠に到着した。身延駅から4時間、大城入口から3時間半だった。
開通記念の石碑や山梨県と静岡県の県境標識、静岡県静岡市の標識が並ぶ。道ばたに「旧安倍峠入口」の標識があるので見てみたら、15mほど下で多くの人がお弁当を食べていて、そこが旧安倍峠である。旧峠が道より下にあるとは思いもしなかった。


【12:20 1461m】
峠を過ぎるが道はまだ上っていき、やがてピークに到着。あれっという感じで、何もないピーク地点から下り始めると、色づいた木々を多く見かけることが出来た。山梨側よりも静岡側の方が色づきが早いみたいだ。東屋の先の道ばたの草地で昼食。紅葉の写真を撮っているライダーがいた。

あとは下るだけだとホッとしたいところだけれど、静岡駅まではまだ50km以上もある。静岡側は地肌が露出しているところはないので山梨側に比べると穏やかな景観であるが、同様に急カーブの続く急坂を下る。
旧峠歩道入り口には熊出没注意の看板が。さらに下ると鯉ヶ滝(恋仇)、安倍の大滝が見える地点と続く。

法面の大規模工事箇所を過ぎ、標高900mまで降りると梅ヶ島温泉に到着。思っていたよりきれいで立派な旅館が並んでいた。

梅ヶ島温泉からは道幅も広がり、緩やかな下り坂となる。安倍の大滝、梅ヶ島金山温泉、立派な梅ヶ島大橋と下り道なのですいすいと進んでいく。

14:30、ちょうど休憩を取りたいと思っていたときに「真富士の里」に到着して、ここで休憩。わさびソフトを食べると、結構ピリリとしていたが美味しかった。

県道27号線はだんだんと交通量が増えてきたので、竜西橋を渡り安倍川右岸に移った。ここから県道29号を行く、交通量が少なく、自転車も結構走っているいい道だった。

土手上にサイクリングロードが見えたので安倍川のサイクリングロードに出る。
狩野橋で左岸CRからR362で静岡駅へ。最後は静岡の街中を抜けて16:15、静岡駅に到着した。

峠を登った疲れ具合はその夜に分かる。家に帰って夕食を食べてビールを飲んでいると一気に疲れがやってきた。レベルは大弛峠と同じ位。標高差は小さいが、勾配がきつく力を使って上らなければならないところが多いので足へのダメージが大きかったようである。

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