8/10(日) 江部乙-雨竜-北竜-御料峠-増毛-留萌 晴 109km 地図
(文:千穂 補足:呼人)
6時前に起床。ツーリングの時は21時頃には寝てしまうので、自然と早起きしてしまう。すでに日は高く上っていて、窓からさしこむ朝日にあたると暑いぐらいだ。
温泉で朝風呂をあびて、和食の朝ごはんを食べて、7時半に出発。昨日、宿の裏庭に自転車を止めたとき、もう一台自転車(ロード)があるなと思っていたのだが、その人もちょうど出発準備をしていた。昨日旭川空港から富良野を走ってきて、今日は室蘭まで行くとのこと。最終の目的地は新潟とか。一日の走行距離は、私らの倍ぐらいだろうか? すごいなーと思う。
江部乙駅横の踏切を渡って西へ、まずは石狩川へ向かう。広大な田圃の中を走るのは、北海道ツーリングの中では初めての経験だ。快晴の空の下で、緑色の稲は輝いて見える。北海道でもこんなに稲作がさかんな土地もあるんだと、新たな発見。
ツーリングマップルに石狩川沿いにサイクリングロードが表示されていたので、堤防を越えて河川敷を突っ切り川岸に向かった。川岸は木々が生い茂っているが、その中を草むした道が続いていたのでこれがその道か?と思い走っていったのだが、500m程走ると小川に遮られ道が途切れてしまった。残念ながらあきらめて堤防まで戻り、うりゅう沼を横目に堤防上を走った。
後日石狩川CRを調べてみたら、ここはまだ未開通の区間であった。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ddr/cycling/fukagawa-cycling.htm
宿からだいぶ遠回りしたが、江竜橋で雨竜町に渡る。次に向かう「道の駅うりゅう」は9時開館予定。開館していないとスタンプも押せないし、カントリーサインマグネットも買えないので、国道275号と脇道を通ってのんびりと走り、8時45分に「道の駅田園の里うりゅう」到着した。すると、予想に反して、道の駅はすでに開館していた。お盆のかきいれどき、しかもよい天気ときているから、早めに開けたのかもしれない。無事にスタンプとマグネットをゲットした。
R275を引き続き北上し、恵岱別橋で恵岱別川を渡るとひまわりの町、北竜町。街中を抜けて、まずは北竜温泉サンフラワーパークホテルにある「道の駅サンフラワー北竜」でスタンプとマグネットをゲットする。
次に、ひまわりまつりが開催中の「ひまわりの里」へ向かう。「ひまわりの里」へ行くのは5年ぶり。初めての北海道ツーリングのときに来ている。当時は雨模様で、ひまわりの色も沈んでいたが、今日は快晴。遠くから見てもひまわりが輝いて見える。やっぱり晴れはうれしい。ただし、ひまわりは盛りを少し過ぎていて疲れ気味に見えた。
多くの観光客が訪れていて、園内を遊覧車が走り、5年前と同じくダチョウもいる。
ひまわりの中を一巡りした後、売店・休憩所へ。10時半とまだ時間は早いが、このあと峠を越えて日本海に出るまでの約40km区間は、ほとんど何もない道なので、ひまわりの里の売店でライスサンドのおやつとし、水も十分に補給しておく。
さて、ここから今日のメインルートの道道94号で日本海に出る。御陵峠へ向かう道は、ゆるやかな傾斜で、足への負担は少ないが、景色の変化がとぼしく、走っても走っても進んでいる気がしない。それでも沿道のひまわり畑は、栽培用のためか、「ひまわりの里」のひまわりに比べて黄色の色も鮮やかで元気があり、きれいだった。
車もそれなりに走っている道で、ぽつぽつと民家もあったが、竜西地区に売店を見かけ、標高200メートルを越えるころには、集落はなくなる。
恵岱別ダムにさしかかると峠までやや勾配がきつくなる。ダムの横を抜ける北竜トンネルを抜けるとダム湖、さらに上って北竜町と増毛町との境となる標高320mの御陵峠に12:00に到着した。増毛というと海辺の町という印象が強いが、ここはまだ内陸部で、高山の雰囲気すらある。「増毛町」と聞いてもピンとこない。
峠からの下り道は、信砂川に沿う緩やかな傾斜の道が続く。標高300mちょっとだが、さすがに北の大地、本州では標高1,000mクラスの風景である。増毛側は路面もきれいで道幅も余裕があり、とても快適な道だ。真っ青な空に浮かぶ雲が見事な絵になっていた。
標高100mまで降りたところで集落が復活し、さらに遠方に日本海が見えた。「海だ!」と嬉しくなる。海が見えると、なぜこんなにも嬉しい気分になるのだろう。海に近づくと民家も増えてくるが、ほとんどの家の前にペットボトルの一部を切り取り、色を塗ったものを何十本も使って作られた風車が並んでいた。
留萌本線の信砂駅から国道231号線、増毛国道に出る。ここからいったん増毛まで行ってから留萌へ引き返すルートである。この日は本当によい天気で、海は群青色に輝き、こういうときに海辺の道を走るのは最高の気分である。自然と自転車をこぐ足も軽くなる。
増毛駅を訪れるのはちょうど20年ぶりである。当時は留萌本線で訪れ、「駅-station」のロケ地だなあ、と思った記憶がある。確か駅前には日通の古い倉庫があり「そうそう、映画どおり」と思っていたのだが、その倉庫はなくなっていた。駅前もガランと整備されていて、さらに、市街は美観地区のようになっていて、ちょっとした観光地の雰囲気だ。実際に観光客も多く訪れており、町は活気にあふれていた。
ここで遅めの昼食とする。増毛といえば、ウニか甘エビということで、寿司メインの定食屋に入り「甘エビ二色丼」を注文。漬け甘エビというのは初めて食べたが、とてもおいしかった。このあと、有名な北限酒蔵「国稀酒造」を見学。ツーリングの途中であるし、普段から日本酒は飲まないので、試飲はせずにぐるっと見ただけにとどめる。
海まで出てみると、西側に暑寒海水浴場があり、その先に海から切り立った崖が続く。そのさらに先にはかつての陸の孤島、雄冬がある。一度は行ってみたいのだが、また次の機会にと思う。
この後、再度増毛駅へ寄ると、ちょうど1両の普通列車が静かにやってきた。終着駅に到着した車内から降りてきたのは、鉄道ファンと思われる数人のみ。もはや北海道は、鉄道で旅する地ではないのだと感じた。バスも少なくなっているし、公共交通を使っての道内の移動は、現在ではかなり難しい思う。自転車を始めて本当によかった。
本日の宿泊地の留萌を目指して舎熊、阿分、礼受と海岸通りをひた走る。このあたりは、札幌・旭川等の都市部の住民の海水浴場なので、多数の海水浴客でにぎわっていた。内地から見たらものすごく海水は冷たいと思われるが、みな、楽しそうに海に入っている。
留萌の街へ入ると、街中はアップダウンが激しくてびっくり。15:50、ビジネスホテル「ホテルニューホワイトハウス」に到着。ここに決めたのは「24時間コインランドリー」というだけで、たいして期待していなかったのが、ネットの写真の数倍きれいなビジネスホテルだった。
到着が予定よりだいぶ早かったので、4km離れた神居岩温泉の「ホテル神居岩ホテル」へ入浴に行くことにする。今日はすでに100km近く走ってきたが、重たい荷物を外したBD-1は全く違う乗り物のようにスイスイと進む。神居岩温泉へは上り坂だが全然気にならなかった。
入浴後、日没まで時間もあり、快晴なので、日本の夕陽百選の「夕陽」がきれいに見られるだろうと、黄金岬(おうごんみさき)へ向かった。黄金岬へは18時過ぎに到着し、日没までの約30分、ひたすら海を眺めて過ごす。徐々に暮れゆく景色と、海に延びる太陽のオレンジの帯が短くなっていく様を十分に楽しんだ。久々に見た美しい夕日だった。
今日の宿は朝食のみついている。今回の旅は、ここを除いて、すべて夕食・直食付としたので、フリーの夕食はここだけである。ということで宿すぐ近くの「食堂園」で今日の夕食は焼肉にした。おそらく今回の旅行、ほとんど海鮮料理になると思ったので(実際そうなったが)、今のうちに肉を食べておこう、という魂胆である。肉厚でおいしい牛肉は、首都圏の焼肉屋から見たら破格のお値段であった。満足な一日となった。