06/08/16 北海道ツーリング5日目
8/16(水) 雨
一週間以上の旅行の場合、期間中ずっと晴れ、ということはまず不可能である。今日は予報どおり、朝から雨だった。
ただし、もともと「中休み日」として、走行距離も60キロ程度に抑え、登別温泉でゆっくりする予定だったので、今日が雨なのはタイミング的にはわるくない。午前よりも午後の方がより雨が強そうなので7時前に朝食をとり、7時20分に出発した。食堂では合宿の高校生たちも朝練の後の朝食だったが、みな礼儀正しく静かに食事をしていて感心した。高校生の朝食は、一般の朝食よりもボリュームがあった。
出発したときは小雨だったが、意外にもすぐにやんで、霧雨のような感じになった。ゴアテックスの上下で武装していたが、上着は前をあけていてもたいしてぬれない。前回の広島ツーリングより、靴もゴアテックス製にしていたが、この靴、なかなかよい。小雨程度ならば、靴カバーがなくても問題ない。
霧でよく見えない中、黙々と走る。景色が見えないので、写真を撮ることもほとんどない。苫小牧の町はずでれ室蘭本線に並行した国道36号に入る。交通量は多く、歩道があるが、でこぼことかなり傷んでいて走りにくかったため、錦岡駅から室蘭本線の北側へ移動し、国道をはずれた道を進んだ。樽前地区を迂回し、社台で国道に戻ってしまったが、白老市街の道でまた別れる。
白老付近で多少雨が強くなり、ポロト湖はほとんど何も見えなかった。19年前の3月に、ポロト湖畔で歩くスキーを体験したことを思い出した。うまくすべれずに、半分もいかないで挫折した。天気がよければ、ポロト湖畔を一周したかったのだが。
ポロト湖にはアイヌ民族博物館「ポロトコタン」があったが、訪れる人もおらず、従業員はひまそうだった。ポロトコタン周辺の木彫りの店もほとんどつぶれていて、さびしい風景だった。
白老の先でまたまたR36に戻ったが、やはり歩道は走りづらいので萩野駅から山側へ迂回、大昭和製紙白老工場の山側を走る道は、開通から間もないので走りやすい。(実は白老からこの道は繋がっていた) 敷生川を渡り、竹浦の街を抜けて虎杖浜まで、車も少なくのんびりと走ることができた。ゆるやかなアップダウンの道の両側には温泉があちこちにわいているらしく、民宿のような小さな温泉宿が点在していた。日帰り入浴が200~300円程度なので、とても安い。
室蘭本線と国道を横断し虎杖浜の海岸へ。鉄道も国道も登別へはトンネルをくぐるが、海に近い旧道を選択した。一山越えると国道に合流するがすぐに左折。登別駅裏に向かって坂を下りると、目の前に西洋風のお城が見えてびっくり。この建物、「マリンパークニクス」といって、水族館だそうだ。登別は北海道一の温泉街で、札幌からも近いことから、テーマパークがいくつもある。
駅前の喫茶店で早いお昼を食べ、ここからクッタラ湖をまわって登別温泉へ向かう予定だった。登別温泉へは標高200メートル、クッタラ湖へは標高400メートルの山を越える必要がある。道道2号洞爺湖登別線を上り、登別伊達時代村の先で、道道350号倶多楽湖公園線へ右折する。登別からだんだんと強くなってきた雨が、標高が高くなるにつれて激しくなり、霧も濃くなってきたので、クッタラ湖はあきらめUターン、温泉街へ直接向かうことにする。
今日の宿は、今回の旅では飛びぬけて贅沢な「
第一滝本館
」。ずっと泊まりたかった温泉旅館である。というのは、学生の頃(20年以上前のことですね)、道内の国鉄特急列車に乗ると、シートの背に必ず第一滝本館の広告が貼られていたからだ。道内時刻表にもよく広告が載っていた。大きくて美しいお風呂の写真に、「世の中にはこんなにすごい温泉旅館があるんだ」と、見るたびに感心したものだ。YHか車中泊があたりまえだった身には、「はるかに手の届かない宿」であった。社会人になってずいぶん経過し、こういう温泉旅館にも泊まれるようになったので、今回思い切って予約をとった。
雨と霧と坂道で、よれよれになりながら、13時前に温泉街に到着。霧が濃くて数十メートル先は何も見えない状態で、温泉宿の建物は見えるのだが、看板の文字がわからない。「いったいどれが第一滝本館なんだ?」と目をこらしていたら、温泉街の一番奥の一番大きな旅館だった。
よれよれびしょびしょの私たちが入口にたどりつくと、宿の人が飛んで出てきて、屋根のある駐車場に自転車を置かせてくれた。また、荷物を運びやすいように、台車をもってきてくれた。(今までに、雨の中を自転車でやってきた宿泊客は、ほとんどいなかったと思われる)チェックインは14時からだったので、「どこかおでかけになりますか? それともお風呂に入られますか」と聞かれ、迷わず後者を選択。チェックイン前にお風呂OKというのは、非常にありがたかった。ゴアテックス上下を着ていたために、雨で体がぬれることはなかったのだが、あまりに暑くて、汗でぐしょぐしょにぬれてしまった。これでは、ゴアテックスを着ないで雨にぬれていても同じだったのではないか?
で、長年の夢だったお風呂は、すばらしく広く、泉質もよく、大感動だった。
また、登別温泉は、観光客も多く、活気があった。
このあとは、おやつ→温泉街で買い物→TVで高校野球→風呂→TVで高校野球→夕食→風呂→TVでサッカーと、ただの「温泉旅行」になってしまった。けれども、おかげですっかり元気をとりもどした。途中一日ぐらいは、こういう「休息日」をいれた方が効率がよさそうだ。
登別温泉は、この日はずっと雨だった。